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温泉旅行 一日目 07
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歯磨きをした後、照明を少し落とし、仰向けで布団にゴロンと寝転がり、手を繋いだ。
なんとなく。本当になんとなく言いたくなったことと聞きたいことがある。
天井を見たまま、口を開いた。
「光さん」
「んー?」
「俺ね、光さんと付き合えて幸せな一年だったよ」
大学とバイトとオタクの行事だけのキャンパスライフだったけど、光さんと出会って、こういう旅行にも来れたし、バレンタインも渡せたし、後日だけど誕生日も祝ってもらったりして幸せだった。
まあ、付き合いたての頃は会って貰えなかったけど、それがあるから今の俺たちがあるのかなと思う。
そんな気持ちが届いてほしいとギュッと繋いだ手を更に強く握る。
「うん…」
「光さんは、俺といて幸せな一年だった?」
俺の問いに、光さんは、ふぅ、と息を吐いて口を開く。
「僕も幸せだったよ。でも…セックス怖がってしまうし…色葉くんに飽きられないかなって不安もある。色葉くんだって若いんだし…」
横を向いて光さんの方を見ると、光さんは繋いでいない方の腕を目に押し付けてた。
正直に言ったから俺の顔を見られないらしい。
「正直にいうとヤりたい。でもね、光さんから誘ってくれるまで待とうと思ってる」
「う、ん…」
俺の返事を聞いても、こっちを見ようとしてくれない。
どうしたらいいんだろう。
うーん…。言ってもいいかな。
「一つだけ言わせて欲しいことがある。だから、こっちを向いてくれないかな?」
ゆっくり目に押し付けている腕を退かして、顔だけ俺の方を向く。
「な、に…?」
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