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きっかけ 03
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「写真とかないのか?」
「ないよ」
写真撮ったことない。理由は付き合って二週間で会ってもらえなくなったからなんだけど。
「えー!!気になる!!」
「日向煩いぞ」
「かなちゃんは俺のお母さんですか」
「お前後で覚えとけよ」
騒ぐ日向を見る奏の目が少し怒っていた。
日向達は高校の同級生で、今ルームシェアをしている。だから、二人は一緒に帰る。
日向帰ったら怒られるのかな。
奏って怒ると怖そうだから「日向どんまい」と心の中で呟いた。
「うんうん。それでいーくんの彼女さんはどんな人なの?」
日向は怒っている奏に気付かないふりをして、俺に話題を振った。
「あー、二人には本当のこといっておこうと思うんだけど…彼女っていうか彼氏なんだ…」
俺の言葉に二人はフリーズした。
その反応分かる分かる。俺でも他人に言われたらそうなる。
「まあ、それを受け入れてほしいとか思ってないから。ただ知って欲しかっただけ」
無理に受け入れられても嬉しくも何ともないから。余計に嫌がられるから。
「そうか。俺も日向もそういうの偏見ないから大丈夫だぞ。教えてくれてありがとな」
「そーだよ!いーちゃん!」
俺は友達に恵まれているらしい。こんな言葉を言われるとは思ってもいなかった。
「ありがとうな。それで相談なんだけど…なんか別れそう」
上がった気分も今の光さんとの状況を考えると下がる。
「それはどうしてー?」
そんなの俺にもわからない。
いつの間にかきていたハイボールを一気に飲んで、口を開く。
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