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きっかけ 07
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「僕さ…」
俺の思いが通じたのか、光さんは話し始めた。
俺は聞いている間、ずっと背中をポンポンとしていた。
光さんの話をまとめると、自傷癖があって、付き合い始めて暫くは我慢していたけど、我慢できなくなって、傷をつけた。それを見られたくなくて誘いを断っていた。
でも、会えないのは会えないのでストレスになってご飯をあまり食べられなくて、痩せたらしい。
「…引いたよね」
俺にぎゅーっと抱きついて顔を見られないようにしてる光さんの頭をなでてあげる。
「引いてないよ。浮気してたーとか言われたら一発食らわせていたけどね」
俺がそう言うと光さんは「ふふ」と笑った。
「色葉くんって、見た目と違ってアグレッシブだね」
「よく言われる。まあ、とりあえず傷は俺が手当てしてあげるから、隠さなくて大丈夫」
「…ありがとう」
「んーん。朝ごはん食べた?」
「食べてない」
「俺が作るから待ってて」
「はーい」
俺はたまご粥を作って光さんと食べた。
この日は光さんのことを一つ知った。
闇の部分でも知ることが出来て嬉しいと思ってしまった。
この日を境に光さんはいつでも会ってくれるようになって、今に至る。
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