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番外編 初めてのバレンタイン 03
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ご飯を食べ終えて、俺は食器を洗って、光さんにくっつきながらうとうとしていた。
「ベッドで寝ておいで?」
光さんが俺の頭をぽんぽんとするけど、それは逆効果で余計に眠くなってくる。
「膝枕…」
もう眠くてたまらない、と光さんの膝に頭を乗せて、光さんのお腹に顔をぐりぐりと擦りつけた。
「もう…」
光さんはそう言いながら、頭を撫でてくれた。
俺はその心地よさで、眠りについた。
俺が目を覚ますと14時過ぎだった。
光さんの膝枕ではなく、いつの間にかベッドで腕枕をされていた。
「めっちゃ寝た〜」
「そうだね。14時過ぎだけど、寝起きだからお腹空かないね」
「そう言えば、全然ご飯と関係ないんだけど、ちょっと待ってて」
光さんに買ったバレンタインのネクタイの存在を思い出した。
バイト用のバッグの中からそれを取って寝室に戻った。
「なにそれ?」
「何でしょう。開けてみて?」
頭を傾げながらも光さんは俺から受け取り、ラッピングを解いた。
そしてそれを見た光さんは、嬉しそうにこっちを見た。
「喜んで貰えました?」
「うん!ありがとう。でも、いきなりどうして?」
「一日遅れのバレンタイン。付き合い始めてからの初めてのバレンタインだから、用意したの」
俺がそう言うと光さんはしょぼんと眉を下げた。
「僕、なにも用意してない…」
何だそういうことか。男同士だから何とか〜と言われるんだと思った。
光さんはネガティブだから。まあ、そんなところも好きなんだけどね。
俺は対面するように光さんの膝の上に乗り、抱き締めた。
「別にそんなのいいよ。光さんがいるだけで十分です」
「色葉くん…」
この日何も用意していなかった光さんはそれを気にしてか、次の日俺をデパートに連れて行き、俺に合うリュックをプレゼントしてくれた。
何故リュックかいうと、俺がいつもリュックを使っているかららしい。
バレンタインだからセックスに流れ込みたかったけど、大分前に光さんに怖がられていたから、セックスはしないで、キスをしたり抱きしめたりして過ごしていた。
漫画とかである甘々なバレンタインではなかったけど、俺たちにとっては幸せなバレンタインだった。
次のバレンタインはどんなバレンタインになるんだろう。今から楽しみだな。
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