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光の浮気 06
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わーわー騒ぎながら食べ飲みして、ふと目に付いたサンドイッチ。
ピラッとパンをはいでみると、中身は生ハムとレタス、それにツナマヨが入っていた。
ハムとレタスのサンドイッチにツナマヨ入れて食べることなんて、家族と光さんしかしらない。
このサンドイッチは二人が作ったものじゃなく、光さんが作ったものだ。
サンドイッチから二人に視線を変えると、二人が俺を見ていたことに気付いた。
「これ、光さんからもらったの?」
「…うん」
「何か言ってた?」
「言ってなかったよ。でも皆月さん、やつれてたよ。色葉くんみたいに」
多分、バイト先に光さんが呼び出して、それを渡したんだと思う。
そして、光さんはそんな他人に言い訳するタイプじゃないから、なにも言わなかったのかな。
「そっか。ごめんね、面倒かけて」
俺が二人に謝ると、二人は頭を横に振った。
「俺とゆーちゃんと会って、色葉のことすごく聞きたそうにしてたよ。俺たちそれに気付いてたけど、何も言わなかった」
「うん。それでいいよ。光さんはさ俺なんか忘れて、女と付き合えば良いんだよ」
「でも、皆月さんは色葉のこと好きだと思うよ。じゃないと作ってこないだろうし、やつれたりしないだろ」
そんなのは分かってる。でも、俺は男だし、まだ学生だし、何もしてあげられない。
「光さんのことは好き。だから、もうこれを機に離れないといけないのかもしれない」
二人は口を開かない。何も言えないんだ。
これは同性を好きになった人しか分からないんだ。
スーッと涙が流れた。
拭っても、次から次へと涙が出てくる。
「ごめん。トイレ行ってくる」
あまりこういうとこを見られたくなくて、トイレに逃げ込んだ。
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