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光の浮気 07 side 伊織
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泣きながらトイレに行く色葉を無言で見送った。
「あー。俺、こんな経験ないから、どうしたらいいか分からない」
「そうだね。僕たちには何も出来ないかな」
二人の中にシーンと静かな空気が流れる。
もうこれは、あれをするしかないでしょ。
「まだ色葉出てこないだろうし皆月さん呼ぶか。んで、皆月さん来たら帰る?」
「そうしようか」
「皆月さんの連絡先知らないし、色葉のスマホ勝手に使って良いよね」
「うん。怒られるときは二人一緒に怒られよう」
勝手に色葉のスマホの電源を入れ、皆月さんに電話を掛けた。
プルルル…プルル…
「…はい。皆月です」
「金崎です。色葉のスマホ勝手に借りて電話してます」
「さっきはわざわざ呼んでごめんね」
「そんなことはいいんです。サンドイッチ、皆月さんの手作りって気付きましたよ。それからずっとトイレで泣いてます」
俺が現状を言うと皆月さんは「…そう」とだけ言った。
「色葉が泣いてるところなんて、初めて見ました。あなたが原因ですよ。分かりますよね?」
皆月さんは俺たちより年上。だけど、俺は気にしないでキツく言う。だって色葉のためだもん。
「…うん」
「このままじゃダメなことくらい分かってますよね?今すぐ色葉に謝りに来てください。二人がどうするかは俺たちは口を出しません」
「でも、色葉くんは僕になんか会いたくないと思うし、あわせる顔がない」
「そんなの知りませんよ。とにかく今から来てください。…そうですね、一時間で来てください。一分でも遅れたら、覚えておいてくださいね?」
俺はそう言って、すぐに切って電源を落とした。
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