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光の浮気 09
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しばらくして、涙が止まり、トイレから出ると、何故か伊織たちはいなくて、代わりに光さんがいた。
会いたかったけど、会いたくなかった人。
伊織たちの言う通り、光さんは前よりやつれていた。でもそんなことはどうでもいい。
「は…なんで?」
俺はキッと睨んだ。
「謝りたくて来た」
「別に謝らなくていいよ。前も言ったけど、男よりも女の方がよかったんでしょ?ならいいじゃん、それで。俺たちの関係はこれで終わり。だから謝ることないよ。光さんはあの馬鹿おん…榊さんと付き合えばいい」
そう言うと、また涙が出てきた。
本心ではない。本当はもっと一緒にいたい。
すごくすごく大好きなんだ。
俺は立っていられなくて、しゃがみこんで泣く。
すると、後ろから抱き締められた。
「さわっるな…っ」
どうして抱き締められるのか分からない。
俺は暴れ、腕を振りほどくけど、光さんは離されるたび、また抱き締めてくる。
「ごめん…ごめんなさい。僕、色葉くんと別れたくない」
ギュッと強く抱き締められ、悲しそうな声で言ってくる。
どうして、そんな声をするの。男の俺が嫌になったから、浮気したんじゃないの。
「…いみ、わかんない…っ!」
「言い訳にしかならないけど聞いて欲しい」
急に真剣な声になる光さんに、少しビクッと体がはねた。
「あの日ね、あの後、うちで二人で飲み直ししてたの。それで、榊さん僕のこと好きだったらしくて、告白された。すぐに断ったんだけど、『じゃあ一回ヤらせて』って押し倒されて、僕そのとき相当飲んでたから、逃げられなくて、そのまま襲われたの。女性に襲われるなんて情けないし、第一恋人がいるのに家に入れるべきではないってすごく反省した。自分の意思ではなくても、榊さんを抱いてしまったこと、本当に申し訳ないと思ってる」
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