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癒えない傷 01
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次の日。朝早くになったインターフォンで目が覚めた。
「ふぁ~。はーい」
ドアの覗き穴から見てみると、伊織たちだったから、ドアを開けた。
「え、この時間ってことはバイト帰り?」
「そうだよ。少し夕勤に残ってもらって、遅れて行った」
「ごめん…」
謝る俺に、二人は笑って「そのくらいいいよ」と言う。
「色葉くんたち仲直り出来たんだね。昨日までより元気そう」
「だな!皆月さんもいるの?」
「ありがとう。いるよ」
「今は寝ているけど」と言いながら、リビングの方を見た。
すると二人は顔を合わせて頷き、「お邪魔しまーす」と言って俺を退けて部屋に入ってきた。
慌ててドアの鍵を閉め二人のあとを追った。
俺の部屋は、寝室がなく、ベッドがリビングにある。
寝ていた光さんに遠慮して、電気を点けないでいたのに、二人は遠慮なく点けていた。
そして、光さんを激しく揺すり起こしていた。
「う、うわぁ…」
何がしたいか分からないけど、もう少し優しく起こしてあげたらいいのに。
「皆月さーんおーきてー」
「起きてくださーい。さもないと、色葉くんを攫っていきますよー」
「…何?」
二人の激しい揺さぶりと、言葉で目覚めた光さんはすごく不機嫌そうに二人を睨んでいた。
「ゆーちゃん、怖いね〜」
「いおくん、怖いね〜」
二人は笑いながら震える仕草をした。
馬鹿っぽい二人とそれを睨む光さんの光景が可笑しくて、笑ってしまった。
「あははっ。二人とも馬鹿っぽいし、光さんは睨まないの」
俺の言葉に光さんはスッと睨むのをやめた。
「光さんは顔洗ってきて。二人ともご飯食べる?」
「食べていく!」
「食べたい!」
「じゃあ、待ってて」
眠そうに顔を洗いに行く光さんを見送り、二人分の朝食を作り始めた。
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