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真面目な話し合い 04
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「な、んで…?そんなすぐに…」
「あの馬鹿お…榊さんより俺の方が可愛いし、光さんが弱った姿を見るのは俺の前だけでしょ?あの人に負ける要素は性別以外はないと思ったら、どうでもよくなったよ。でも、もう二度目はない」
本当、性別はどうにもならないから。
「…ありがとう…ごめんなさい」
「うん。じゃあ、浮気の件は解決、ということでいい?」
「…いいよ」
光さんの返事を聞いて、浮気に関する俺たちの書いたメモ二枚をビリビリに破ってゴミ箱に捨てた。
その様子を見てた光さんが、「色葉くん考えるね」と笑った。
「でしょ?次は光さんが破っていいからね」
「分かった。今度は何を話すの?」
何にしようか、とテーブルの位置を戻して、元の位置に座った。
光さんの自傷のことでいいかな。
「じゃあ、光さんの書いた自傷のことどう思うかを話そうか。いい?」
「…うん」
光さんの顔が強張る。
まあ、そうなるよな。
付き合い始めに、これで会ってもらえなかったくらいだから。
「自傷はやめて欲しいとは思ってるよ」
光さんの目を見て言うと、光さんは目線をズラして下を見た。
「うん…ごめん。気持ち悪いよね。あと、情けない男の僕と別れたいと思わないのかっていうのと関係あるんだけど、自傷して情けない僕と別れたいと思わないの?」
そう言って、そのメモを指差す光さん。
「気持ち悪いとも、情けないとも、それで別れたいとも思ったはないよ。傷を増やして欲しくないと思うだけ。でも無理矢理やめさせる気もない。更に悪化するかもしれないから」
「うん…」
「病院に行くっていう方法もあるけど、俺は光さんが行きたいと思わない限りは行かせないよ」
光さんの意思を尊重したいと思っているから。
無視してまで行かせなくていい。
俺の言葉に嬉しそうに笑う光さん。
「ん…ありがと」
「だけどやっぱり傷は減るなら減ってほしいと思う。だからさ光さんの誕生日までお試しでいいから、傷つけたくなったとき、傷付ける以外のことをしてみない?」
「例えば?」
「俺とキスや抱きついたりしていちゃつくとか、散歩に行くとか、飴を舐めるとか、なーんでもいいよ。傷付ける以外のことをしてみよう?」
「うー…」
俺の提案に光さんは自信がないのか、あまりいい顔をしない。
「大丈夫。無理矢理はさせる気はないから。守れなかったからといって、幻滅したり怒ったりもしないから」
今回も怒らなかったでしょ?と優しく笑った。
「んー…じゃあ、やってみる…」
そんなこと言っても、まだ浮かない顔をしている。
まあ、今回守れなかったからそうなるのもわかるけどね。
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