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周りからの見え方 06 side 光
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鈴音くんはお風呂から上がると、梓ちゃんと一緒に別室で眠りについた。
だから成人四人でお酒を楽しんでいた。
「ねえ、光くん。色葉のコスプレ見たくなか?」
そう言う椿さんの表情は楽しそうで気になったから僕は「見たいです」と答えた。
「はぁ?!あの黒歴史見せるとね?!」
「ちゃーんと今日のために用意しとったけんね!…じゃーん!返り血浴びた色葉!」
椿さんに渡された写真をジッと見ると、そこには学ランを着て返り血を浴びている色葉くんの姿があった。
椿さんはコスプレって言ってたけど、実際そうだったんじゃないかと思えてしまう。
色葉くんは怒るとこの写真のように目つきが鋭くなるから。
「…喧嘩してたの?色葉くんって不良?」
「し、してないよ!不良でもない!」
「本当?」
色葉くんを見つめると、観念したように「ごめんなさい。嘘です」と白状した。
それを見て椿さんと颯斗さんは笑っている。
「喧嘩っていうか絡まれたから防衛本能で一発食らわせたことがあるだけ!あと、この写真はハロウィンに椿と遊んでただけ!返り血は偽物だからね!」
「そうなの?」
色葉くんは恥ずかしさでか顔を更に赤くして「そうなの!」と言うと目の前にあったワインを一気に飲んだ。
「色葉は女の子と間違えられて絡まれたとよねー!帰って来た時、すっごく不機嫌でそれ観て私、笑った記憶あるもん!」
「確かに色葉くん可愛いですもんね」
でも格好いい所もあるんだよね。
…セックスのときとかね。
「あとねーその写真のは私と梓で遊んだ結果ばい。色葉は私に対して口が悪かけど一緒に買い物行くくらい兄弟仲いいと」
「本当仲良いよなー。買い物に連れて行くと俺じゃなくて色葉くんと梓ちゃんばっかりやったよね。俺が行くときはオマケみたいな」
「兄弟仲がいいのはいいことですね」
五個上の双子の兄二人がいるけど仲は悪い…というか苦手で避けている。
それくらい会いたくない存在だから、色葉くんたちみたいに買い物に行くなんて以ての外だ。
「光くんは兄弟おらんとー?」
「五つ上の双子の兄二人がいますよ」
「下にはおらんと?色葉の面倒みてるくらいだから、お兄ちゃんやってそうなイメージある」
「いえ下はいないですね…。色葉くんは…その…恋人、だから…」
「あーっ光くん照れとる!そんなに色葉のこと好きと?」
こちらに向けられた二人の視線から逃げるたくなって色葉くんの方を見ると、ワインを一気に飲んだせいで潰れていて、どうしようもなかった。
「色葉くんのこと…好きですよ…っ!なので他にも色々教えてください!」
恋人に言うのはなんてことないけど、恋人の兄弟に言うのは恥ずかしすぎる。
二人ともニヤニヤしてるし…。
「色葉のことが大好きな光くんに色々教えてやろー!
他にはね、と何処から出したのか卒業アルバムを取り出し、椿さんは色葉くんのことを色々話し始めた。
友達から見た色葉くんと、兄弟から見た色葉くんはやっぱり違っていて、聞いていてすごく楽しかった。
「はー!久しぶりにこんなに飲んで話したー!まだ話し足りん!」
「あんだけ話して?!明日は朝早いんだろ?光くんを解放してやんないよ(やりなよ)」
「解放するよ!じゃあ光くん!おやすみ!」
こうして成人四人での夜会はお開きとなり、僕は色葉くんを抱えて部屋に戻って眠りについた。
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