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犬を飼いました。…犬?
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「うわぁぁぁあああ?!」
え?なにこれ。
俺はただ風呂から上がって着替えて廊下を歩いていただけなのに。
人?人が倒れてる。ここ俺と先輩の部屋だよね?
この人が先輩?
寝てる?とりあえずベッドまで運ぶか。
そう思って両脇に両腕を突っ込んで引きずろうとするとなんか異様に軽い。
横抱きにできそうだから横抱きにしてベッドまで運んでみた。
あの軽さじゃ何も食べてなさそうだし何か作るか。
冷蔵庫から適当なものを出してナポリタンとかスープとかサラダとか作ってテーブルに並べてみる。
カチャ。そんな音がした方へ視線を向けるとさっきの倒れていた人が立っていた。
「いい匂い…これ、君が作ったのかな?」
結構穏やかな声だった。とりあえずいい人っぽそう。
「は、はい。ちゃんと食べてるか心配になって夕飯ついでに作りました」
ってなんで泣いてんのこの人。
わけがわからない。
「だ、大丈夫ですか?」
「う、うん。ごめんね。こんなに優しくされたの初めてで…冷めないうちに食べよっか」
先輩に促されて椅子に座って昼食をとることにした。
細い腕に、細い指。
本当に男か疑ってしまう。
「あ、自己紹介してなかったね。俺は2年の辻野優流(つじのすぐる)。勉強は多分出来るほうだけど炊事とか洗濯とか苦手かな。」
「俺は1年の牧野陸希(まきのむつき)です。まぁ家事とかは一通りできますし料理は結構好きです。」
おぉ…と辻野先輩に拍手された。
本当にできないらしい。そういえば、先生が俺と一緒の部屋の人は去年の学年主席って。
なるほど。できない天才か。
家事は俺が全部やってもいいからわからないことあったら何でも聞いても大丈夫そう。
ふと目の前を見るともう既に食べ終わった辻野先輩は俺に物欲しそうな顔で見てきた。
「あの、なにか?」
「陸希君に俺の飼い主になってもらいたいなって。」
は?この人頭打ったか?
飼い主?人間の?
そんな思考を巡らせていると辻野先輩は立ち上がってこちらへ来た。
思わず俺も立ち上がって後ろへ下がって行くが先輩は迫ってくる。
さっきと全く目の色が違う。
穏やかな目の色が今は艶っぽくて…
いつの間にか壁にあたって崩れ込んでしまった。
「ねぇ。陸希君。だめ?」
「だ、ダメも何も先輩は人間ですよ?犬や猫じゃあるまいし…」
「俺ね。陸希君に飼い主やってもらえるならなんだってやるよ?たとえば…」
サワサワッ
「ッ……!!」
「ここのご奉仕とか。」
こ、こいつ…ガチホモかよ。
とりあえず。この状況をどうにかしないと…
「わ、分かりました!やります!飼い主!だからそこどいてください!!」
「ほんと?」
「はい!」
先輩は二ヘラと、今まで見せてきた中で1番嬉しそうな顔で笑って俺の上からどいてくれた。
急いで立ち上がって空になった食器を全部洗ってしまおうとキッチンに立つと背後に少し重みを感じた。
「ふふっ。陸希君顔真っ赤。俺少ししか触ってないのに少し勃っちゃってるね。」
耳元でんな事言うな!
つかなんか当たってるし!
「ン…陸希君、さっきのご奉仕の話、本気にしてくれても、いいからねッ…!」
なんか凄い擦り付けられてる。
とんでもない先輩を飼ってしまった。
とりあえず先輩を宥めてから明日の弁当の準備を進めた。
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