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犬の散歩3
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日用品も買うといつの間にか昼間になっていた。
どこかで食べていくかな。
「辻野先輩食べたいものとかありますか?」
「え?俺は…んー…」
こうして真剣に悩むあたりが可愛らしいなと思える。
「あ!俺ハンバーガー食いたい!!夏生先輩は何が食べたいっすか?」
こういうのは可愛くないと思う。
いや、奏多だから可愛くないのだろうか。
「んー…そうだなー…」
やばい。全然愛情わかない。
結局、奏多がハンバーガーを食べたいと駄々をこねだしたからファーストフードで済ませることにした。
なんだか自分のために買い物をしているのに得している気分がないな。
「俺達もう少し買い物してくけど陸希君はどうする?」
「あ、俺達のはほとんど終わってるんで帰ろうと思います。」
「そっか。また今度だね。」
「そうですね。」
結局腹の底が見えないまま俺達は帰ることにした。
寮に戻って荷物を片付け終わった頃にはヘトヘトになってソファーに座り込む。
それを狙ったかのように優流が上に乗ってきた。
「今日はどうしたの?優流。」
髪が前に流れ落ちて顔が良く見えないな。
髪を耳にかけてやるとピクリと反応した。
「明日、誰も来ないよね?」
「まぁ、予定にはないけど…なにかあるの?」
「んん。陸希と2人きりになりたいだけ。」
結構2人きりの時間多かったと思う。
いきなりどうしたのだろうか。
「だって、今日ずっと奏多君と笹原君が陸希の隣歩いていて嫌だった。」
すごい泣きそうな顔。
そういえば朝食も勉強教えやすいから奏多の隣だったし、ファーストフード店で食べた時も笹原先輩が隣にいたな。
なるほど、これが嫉妬される側の立場か。
こんなにも愛らしい嫉妬をされて嬉しくない奴はいるだろうか。
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