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告白Ⅳ
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「それで。その人、幾つなん?」
お茶を飲みながら莉緒が訊いた。
「いくつ…なんやろか?たぶん、オレよりちょい上やと思うけど、正解はわからんな。」
悩みながら答えると
「はっ?ちょい上って、どの位よ。」
「4才位…?」
「ふぅん。」
興味なさげな返事やったけど、それでエンジンがかかったらしく、まるで生保レディか、オカンみたいな質問が続いた。
「次。名前と住所は?」
――ココは、しっかり拒否らなアカン。教えたら、何されるや分からへんからな。
「名前は、言われへん。住所もや。」
「ホンマは知らんのとちゃう?知ってても、本名と本籍地は、また別やったりしてな。」
半目になった莉緒が、フッと鼻で笑ろた。
「別に。本籍地が違うんは、普通にあることやろ。」
「はいはい。じゃあ、年収、病歴。あと、ご両親は生きてはるん?」
「…知らへんな。」
正直、静の今以外は、どうでも良いと思っとった。
けど、人間誰しも、親がおる。
―どんな家族やったんかな?
カムアウト、したんやろか?
「はあっ!?ほな、訊くけど。あんたは、その男の一体何を知ってるん?」
「電話番号と人となり。それで充分やろ。」
オレは、冷めきった玄米茶をグッと飲み干した。
「同僚とか、友達に会うたことも、紹介されたこともない?」
「そやったら、どないや言うねん?」
イラッときて、思わず立ち上がった。
「私の経験やと、それ、完全に騙されとるわ。もしくは、単なる浮気相手やろな。本命は絶対別に居てる。今ごろ本命の家で、その子の手料理でも食べてるんとちゃう?」
からかうような軽い口調に、アッサリ胸が抉られた。
「自分で見てもない事でガタガタ騒ぐ程、オレは子供やない。」
「へえぇ。せやったら。大人の判断、してみせてみ?」
「大人の判断、て。なんやソレ?」
「私と離婚するんか、せえへんのか!?どないやって言うとるねん!」
―リコン、か。
「何がムカつくってな。あんたのその中途半端さが、一番ムカつくねん!!さっきから聞いてたら、なんやのホンマに。私をバカにするにも程があるやろ!?」
―中途半端。
その一言が、グサリときた。
「とにかく。月曜までにハッキリ決めて。逃げたりしたら、承知せえへんで?」
「…わかった。」
こうして、土曜の午後は過ぎた。
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