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滴Ⅴ
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慌てて飛び込んだ風呂場で、オレは何とか落ち着こうと、ゆっくり深呼吸を繰り返した。
―カムアウトのことも、莉緒に尾けられてたことも、おくびにも出したら、アカン。
ボロが出んように、喋らずに、オレから…
そない考えたら
今度はズクンと腰の奥が疼き始めた。
―あ、マズい!
今は、考えたらアカン!!
無我夢中で、静に教えてもろた通りの『準備』を済ませた頃には、完全に辛抱堪らんことになってしもたオレは
震える脚で何とか戻ると、崩れ落ちるように静に抱きついて、自分からキスをした。
「いつになく積極的だな?」
啄むようなキスの合間に、ヒョイと眉が上がった。
「た、たまには、いい、だろ。」
―ホンマはこんなん、ものっすごい恥ずかしい。
けど。
―早く、夢中になって欲しい。
もう隠し切れへん欲を、やんわり押し付けながら、オレは、静の首にソッと腕を廻した。
「…上等だ。だが、今夜の遅刻には、何かペナルティが必要だな。」
枕の下から、静が何かを取り出した。
「な、なん…?」
出てくる場所からして、イヤな予感がした。
よう見えん内に、近付いた手がサッと動いて、ガチガチのオレの先端へ何かがめり込んだんが判った。
「っ!!」
慣れへん、変な感じやけど、なにコレ…?
「尿道プラグだ。」
―プラグ?
名前は知らんけど
爪楊枝より短いモンが、先から中へ栓をするように、少し入り込んでるんだけは、よう判った。
「こうして、使う。」
オレをガン見しながら、静が指先を動かした。
「ひっ!」
まるで串刺しにされたようなそのビジュアルは、オレをビビらせるには、充分やった。
「いや、こ、コワイ!すぐ取って。頼むから!」
「一番短い初心者用だ。それに、安全性は十分に考慮されている。」
先についたリングを引かれると、ゾワリとして、思わず腰が揺れた。
「せ、せい。イかんと我慢する!するから、これは…っ!」
クイッと押し込まれた瞬間、慣れへん感覚に、また腰が震えた。
「どうやら、満更でもなさそうだな。」
「いや!こ、こんな…ちょ!おい、聞いてるんか?」
焦れたオレは、静の腕を叩いたけど、全然きこえてへん風やった。
「コレでまた、和泉の初めてが、俺のモノになった。」
嬉しそうな言い種に、首を傾げたなった。
―オレの、初めて?
静とのエッチは、オレにとっては、毎回毎度初めてのオンパレードと言ってもエエ位で
「そんなの、今さら、だろ?」
「…そうだな。」
なに食わぬ顔で、静がローションを手に取った。
「和泉に男の味を教えて。バックバージンを奪ったのも俺だったな。」
今度は、後ろへゆっくり指が挿し込まれた。
「ぁ…。」
―そうやった。
オレの初めては、全部静との思い出でもある…。
そう気付いた瞬間
離さへんとでも言うように、オレの後ろがギュッと絡み付くような動きをしたんが、自分でも判った。
「俺が触りもしない内から、前も後ろも、こんなにして…。」
クスッと笑った薄い唇を、赤い舌がちろりと舐めた。
「なのに、強情で。…本当に、どうしてくれようか。」
ギラッと光った瞳に射すくめられて、オレは黙って、身を震わせた。
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