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キス
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空港でオレを見付けるなり、静は堂々とハグとキスをしてきた。
「えっ!?ちょっ!…せいっ?」
「今の俺は外国帰りだからな、この位は挨拶の範疇だ。」
ジタバタ焦るオレの耳元で、こう囁くと
シラッとした顔で、そのまま歩き出した。
そんでも、一番近いホテルの部屋に着くまで、オレの左肘は、ずっと掴まれたまんまの連行スタイルやった…。
「で?どうして、こうなった?」
スッと親指が、オレの目の下をなぞった。
―いやや。
これ以上、こんな顔、静に見られたない。
咄嗟に俯くとボタボタと、雫が頬をつたって落ちた。
「和泉。」
強めの声が咎めてるように、聴こえた。
「うん。今は泣いとる場合とちゃうやんな?ちょっと待っとって。顔、洗ってくるわ。」
1人で立ち上がった筈が
気が付いたら、静の腕の中やった。
「無理をするな。」
「…え?」
みるみる顔が近付いて、労るように、優しく唇が触れ合った。
淡く、甘いようなその感覚を追って、上を向いたら、下唇をゆるく食まれた。
少し開いた口の中へ、舌が滑り込む。
「ん…。」
―気持ちええ。
とろりとしたものを飲みながら、ソッと瞼を閉じた。
撫でるように、舌先がオレの舌の上を、通りすぎ、しっとり絡んできた。
「ふっ」
全身から力が抜けてしもて、凭れかかると、しっかり抱き寄せられた。
「少し、眠るといい。」
「そやけど…。」
電話で済ませられる話やない!って文字通り、こんな夜中に静が飛んで来てくれたのに
「俺は抱きながら話しても良いんだが。」
―うわっ!!
そんな、コトの最中とか…
話すどころか、返事も出来るかどうか怪しいやないかっ!
「わかった、ねる。」
―静の気が変わらん内に、体力回復や。
慌てて横になって、目を閉じたら、ふんわり、静の匂いが近くなった気がした。
―ちょっと、だけ。
その匂いのする方へと頭と手をずらしたところで
オレの意識は、どっかに吸い込まれるように、途切れた。
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