アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
浮
-
百貨店の前で
桜を見上げて佇む静を見た時。
いきなり、グワッとこみ上げるもんがあった。
―今すぐ抱き締めて、キスしたい!
けど、こんな目立つとこで、オレみたいなオッサンが、そないなことをする訳には、いかへん。
何とか堪えて、肩を組むだけにした。
「和泉?」
こっちを見た静の目が、見たことない位まん丸で
オレは小さく吹き出した。
「悪い。ビックリさせたか?」
「ビックリどころの話じゃないだろう。」
渋い顔になった静が、取り繕うように、セカセカ歩き出した。
―なんやちょっと
…カワイイな。
「靴。買うてくれて、助かった。…有り難う。」
「礼はいい。今日の内に御返しを貰うつもりだからな。」
「なっ!なに言うてんねん…。」
こっちをジッと見てる視線に、恥ずかしなって、どんどん顔が熱なってきた。
静が予約してくれてた和食の店まで歩く間も、フワフワ浮いてるみたいな気分やった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
78 / 229