アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
逃
-
「それで?慰謝料を払うことにしたのか。」
折角、ええ雰囲気にしよったのに…。
―食い付くのは、ソコなんか!?
まあ、言い出しっぺは、オレやし、離婚は一番の問題やもんな。
そない思いつつも、かなりガックリきた。
「ぁあ、いや。…ソレは今日いきなり持ち出された話やからな。」
「払える額なら、サッサと払ってしまえばいい。」
「ああ、まあ、それは、そうやろうけど…。」
「なんだその煮え切らない返事は?」
「ああ、悪い。でもな、…慰謝料云々は、義妹の言い分で、たぶんやけど、嫁の意見とはまた別やねん。」
「家族が口出ししてきたか。ややこしいことこの上ない。」
「うん。…ということで、その話は終いにしよ?」
何しか、今この時に、オレと静でこれ以上離婚や、カネについてガチな話をするんは避けたい気分やった。
話せば話す程、御互いの感じ方や、価値観の違いが、ハッキリしてしまいそうで、それが何となしに、恐ろしかった。
「また何かあったら、必ず連絡するし。」
「問題が起きた時もだ。前回のように、どうにもならなくなる前に、言ってこい。」
「うん…わかった。ほな、おやすみ。ぁ……あいし、てるっ。」
静が何か言った気がしたけど。
構わず電源をOFFにした。
キスもハグもできへん時は、やっぱり言葉が必要やんな?
嫁にも言った事がない言葉を言うた後の猛烈な恥ずかしさから逃げるように
オレは布団にもぐり込んで目を閉じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
108 / 229