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はさまれる
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消灯時間直前。
災害時用の布団を敷いて、各々トランプだウノだと修学旅行気分でまるで寝る気がない。
眠いのにこれではうるさくて寝れたもんじゃない。
しかも、隣では消灯時間を待つように洋介さんが本を読んでいる。
布団も敷いているので、ここで寝るのだと思う。
だが1つ問題なのは反対側に春樹が寝るということ。
洋介さんは先ほどから春樹が変なことをしていないかマークをしているようだった。
そして当の春樹はうるさかった。
うるさいなら隣で寝るのやめろ。
うるさいと思った矢先、急に小声になる春樹。
「なー、こっそり屋上行かね?」
「行かない。隣先生なのに行けるわけねーだろ」
「それもそうだ」
春樹が笑うと同時に俺はあの日のネクタイのことを思い出した。
「そーいやさ、ネクタイ結べないって言ってたの、何だったんだよ」
「っあ、あれは…」
春樹の顔が一瞬にして赤くなった。
金髪とピアスに似つかわしくない。
イケメンを俺がこんな顔にさせてると思うと、少し笑いそうになる。
布団をつかみ鼻までかくすその仕草は、さながら少女漫画のヒロインだった。
「…俺ね」
「はい静かにー。消灯時間です。早く寝なさい」
春樹が何かを言おうとした瞬間、洋介さんが注意をして電気を消してしまった。
暗さに目が慣れず、なにも見えなかった。
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