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おあずけの理由
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家に帰って、風呂に入りながら考えた。
女装だから後ろめたかったのかな?
それとも春樹のことでイラついてた?
今おねだりしたらキスとかしてくれるかな?
なんでこんな日に限ってすごくしたくなっちゃうんだろ…。
首が広めに開いたシャツを着て、ズボンはハーパン。
鎖骨と太ももが見える格好で、いざ、おねだり!
寝る準備を終え、ベッドの上でスマホをいじっている洋介さんをみつけた。
俺は対面座位の体制で洋介さんの太ももの上に座った。
「洋介さん…お願い、ちゅーして…?俺、すでに我慢できないのに優勝発表までなんて…むり…」
首に手を回し、俺的には煽りのつもりで腰を揺らす。
「だめ」
「…おねがい、1回だけ」
「だめ」
「軽いのでいいの」
「だめ」
洋介さんは1度もスマホから目を離すことなく「だめ」の一点張りだった。
少し悲しくなる。
「…じゃあなんで、優勝発表までおあずけなの?」
「いや、最近ヤッてばっかだったしちょうどいいかなって」
確かに俺たちは文化祭1週間前から昨日の夜まで毎晩ヤッていた。
でもそのせいで毎日やるのが普通になりつつある今、優勝発表まで我慢できるわけがない。
それに加えてこちとら健康な男子高校生だ。
それをわかってて言ってるの?
でも、そこは今もうどうでもいい。
「…理由はわかった。でも話す時くらいはさぁ…っ」
涙ぐんで、鼻声になる。
それに気づいたのか、洋介さんはやっとスマホから目を離した。
「話す時くらいはさ…スマホ、いじんないでよ…」
こんなことで泣きたくないのに。
めんどくさいって思われたくないのに。
でも俺のことどうでもいいって言われてるみたいで。
「…わ、悪い。仕事関係のメールがきてて…」
「…俺、今日自分の部屋で寝る」
「待って、斗真…」
後ろから腕を掴まれた。
俺は振り向かずに涙をぬぐいながら言う。
「今日…ぎゅってして寝てくれるなら…許してあげる…」
「…おいで」
俺は少し笑ってベッドに飛び込んだ。
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