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2014年。
星藍学園の放課後・・・。
美術教師、澤村美守はスケッチブックを持って美術室を出た。
とたん背後から近寄って来た誰かに、ふいに抱きすくめられる。
気配でこいびとの相葉匡だとわかる。
彼はまわりにほかの生徒がいても平気でそういうことをするのだ。
すこし恥ずかしい。
先日などは、校舎の外から窓に貼付いてキスをねだって来た。
ガラス越しのキスなんて、少女漫画じゃあるまいし。そう苦笑した。
「ミカの髪の匂い好き。俺もシャンプー同じにしようかな。
そしたら毎晩ミカの匂いの中で寝られるだろ。」
そんなことを言ったりもする。
もちろん、嬉しいのだが、大きな図体で飛びついて来る大型犬のような彼に
若干のとまどいを隠せない。
頭の上から甘い声が降る。
「今日、ミカんち行ってもいい?」
「あ、うん、いいけど。これからうさぎ小屋に行くから少し遅くなるよ。」
「スケッチ?」
「うん。」
「じゃ、鍵ちょうだい。先帰ってる。」
部屋の鍵を渡すと、それを嬉しそうに目の前に掲げて一振りすると、
一転、壊れ物のようにそっと胸ポケットに仕舞った。
大人と少年。豪放と繊細。彼はいつでも表裏一体だ。
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