アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
「なあ」
「ん?」
「おまえ、なんでいつもたい焼きだのひよこ饅頭だのは必ず頭から食うんだ?」
「ああ、だってその、どうせ食べられるんなら一瞬でとどめを刺されたほうがマシじゃないか。足だの尻尾だののほうからジワジワとかじられていくよりも、一瞬で頭をガブリとやられて楽になったほうがまだマシだろう?」
「おい」
「ん?」
「たい焼きもひよこ饅頭も、生き物の形してるってだけでほんとは生きちゃいねーぞ?」
「ああ、うん、それは知っているが、それでもなあ、なんというかその、どうも気の毒な気がしてしまってなあ」
「へっ、おまえらしいや」
「そうかい?」
「そーだよ。……なあ」
「ん?」
「どーせ食われるんだったら、一瞬でとどめを刺されて楽になったほうがマシだ、って言ったよな、おまえさっき?」
「ああ、うん、確かにそう言ったが?」
「そうか。だったらその調子で、俺のことも一瞬で楽にしてくれ」
「え? ど、どういう意味だ?」
「どういう意味って――こんちくしょう察しろよ! あのな、おい――俺はおまえのことが好きだ! 大好きだ! 恋してる愛してる惚れちゃってる! だから俺とつきあってくれ! でも、無理なら無理で頼むから一思いにきっぱりとどめを刺しちまってくれ!!」
ちなみに、今のところ、俺にとどめはまだ刺されていない。
とどめを刺されるその代わりに、俺は生まれ変わったんだと思う、たぶん。
え? 俺の告白の結果はどうなったかって?
野暮なこと言わせんな。察しろよ、ったく。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 14