アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ー間奏ー
-
意外と簡単に捕まった汚い蛾
甘い汁に飛びつくとは間抜けだな
廃墟ビルの壁に追い詰めながら微笑んだ
「おいっ!俺が何をしたんだよ?」
「さぁ・・・私は頼まれただけですので」
「誰にだ!」
「その前に、他の四人は今どこに?」
「あいつらなら病院だ、ばけものにやられたんだよ」
「面白い話ですね」
「と言うか、どうして四人だと?」
「知る必要がありますか?」
「ある!」
「どうしてその四人は病院送りに?」
「それは・・・まさか、楓が?」
「そんな人は知りませんね」
「どういう事だよっ!てか、拳銃下ろしてくれ・・・何なんだよ・・・ここはどこなんだよ?教えてくれよ」
「困りましたね・・・そう言う質問にはお答え出来ませんし貴方からの依頼は請けていないので」
「待ってくれ!頼む、もうあいつには手は出さないから!お願いだ・・・じ、じゃ依頼なら俺がする!助けてくれ、金だろ?いくらだ?」
「残念ながら私は金で動いている訳では無いので続きは地獄でお願いして下さいね」
「やめろ・・・・・やめて・・・・・ぎゃっ!」
火薬の匂いは好きだ
怖がる姿を見るのもね
汚い蛾でももう少し羽ばたいて楽しませて欲しかった
死体を始末させて待ち合わせの店に向かった
「和海、ここだ」
「珍しく連絡が来たかと思えば殺しの依頼だとは驚きましたよ」
「すまない」
「始末はしました・・・残りの四人は危篤状態らしいのですぐ手を回します」
「怖いな」
「おや、殺人を依頼したくせにおかしな事を言うのですね」
「確かに」
「しかし、貴方があの四人をやったとは思えませんし・・・その理由ぐらい尋ねてもよろしいかと」
「護りたい人が出来た・・・新しい世界に過去の人間は必要ないと思っただけだよ」
「おや・・・それは動物ですか?」
「人間だ、傷だらけだけど心が綺麗な子だよ」
「貴方の心を奪うとは・・・興味がありますね」
「そのうち紹介する」
「ちなみに・・・女性ですか?」
「いや」
「成程」
「でも、お前には余り紹介したくないな」
「人のものを奪ったりしませんよ・・・親友ですし」
「ならよかった」
グラスの中の氷を見つめ、相変わらず掴めない奴だと苦笑した
そう言う俺もさっき人を殺したとは思えないような笑顔だ
しかし、朱雀に恋人か・・・
今まで人間には興味すら持たなかった奴なのに驚きだ
「そう言えば、音楽関係の会社もやっていたよな?」
「そうですね」
「・・・・・・・・・・・・・」
「それが何か?」
「次の一杯でもう一つ依頼したいと言うのは無理かな?」
「そうですね・・・楽しい話なら」
「お前にとってはつまらない依頼かも知れないが」
「話は聞きますよ」
「ああ・・・では新しい酒を」
「はい」
新しいグラスに入った大きな丸い氷が酒と言うドレスを纏い綺麗な音を立てていた
そのグラスを持ち、酒を飲みながら朱雀の話を聞く事にした
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 11