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吉田Side
和「俺は、そろそろお前に怒った方がいいのか?そんなに怒られたいか?」
仍「…バカみたい」
和「はぁ?」
仍「俺の言う事なんでも信じちゃって…。俺が童貞じゃないって事も信じてさ。…でも、面白がった俺も悪いかな」
和「…大馬鹿野郎だ。ドアホ」
和ちゃん本気で怒っていいんだよ。
怒ってよ。
いっちゃんイジメた俺を怒ってよ。
殴ったっていいんだ。
でないと…
俺、いっちゃんの事諦めきれないじゃないか…っ!
仍「殴っていいよ」
和「殴んねぇよ」
仍「殴りたいくせに」
和「殴りたいに決まってるだろ?逸也は俺の宝だ。その宝を傷付けるなんてな…。でもな、俺は逸也が悲しむ事はしないんだ」
仍「大事にしすぎだ。ちょっとは悪いものを見せた方がいい」
和「見せない。元からネガティブ思考な奴だ。悪いものなんて必要ないだろう?」
和ちゃんは一切表情を変えない。
ずっと無表情だ。
目を見れない。
怖い…
仍「謝んなきゃ…」
和「そりゃそうだろ」
仍「和ちゃんはさ、俺の右目見た事あったっけ」
和「右目?」
俺は右目に付けている眼帯に手を触れた。
仍「俺のこの目を知ってて、仲良くしてくれてたいっちゃんが大好きだった。でもね、俺、いっちゃんを壊したくなったんだ…」
右目の眼帯を取って、和ちゃんを見た。
真っ赤な目で、和ちゃんを見つめる。
和「吉田…オッドアイなのか」
仍「ふっ…いっちゃんと同じ事言ってるね。いっちゃんもさ、オッドアイって言ってきたんだ」
和「それが、どうかしたのか?」
仍「普通に見て、キモいでしょ」
ずっとこの目を隠してた。
いっちゃんと出会って、明るくなった。
でもね、いっちゃんを独り占めしたかった。
独占欲。
いっちゃんが他の奴と話すことにむかついた。
後でソイツを呼び出して服で隠れる部分をアザだらけにした。
いっちゃんは俺だけを見てればいい。
いっちゃんは俺だけに笑ってればいい。
そして、和ちゃんアンタもだ。
消えればいい。
和「吉田仍。お前は問題児だな。クレープでも食ってろ。これやる」
和ちゃんが買って来ていたクレープを俺の目の前に差し出した。
とりあえず受け取ってみると、頭をグシャグシャされた。
仍「…何」
和「逸也はお前の笑顔が好きなんだ。笑ってろ。辛い顔なんか似合わねぇ」
そう言って、クレープを出している部屋を出て行った。
仍「…美味しい」
差し出されたクレープは、冷めていたけど、すごく美味しくて…
こんな事をした自分が惨めになって…
可笑しいな、涙が止まんないや
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