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愛した人◇03
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勢い良く引っ張られた腕が、解かれていたネクタイで背中に結ばれる。
酔いが覚めないままの俺は、部屋の電気ですら眩しく感じて頭が回らない。
俺は今、何をされているのだろう。
「おい、急に何なんだよっ」
「日比谷って馬鹿だ。こんなに馬鹿だなんて知らなかった。……でもその性格にーー」
だんだんと小さくなる彼の声は、俺のズボンのベルトを外すガチャガチャといううるさい音で掻き消された。
「えっ。なにして……」
「男と経験がないにしても、勉強くらいはしたんじゃないの。なにも男のチンコを咥えるのが、女に限った話じゃないでしょう」
「き、のしたッ……!」
微かに笑った彼が、不可抗力で立ち上がった俺の物の隙間から覗かせていやらしく映る。
ゆっくりと吸い込まれていくように咥えた木下が、まるで女みたいな表情をしている。
長い睫毛が、伸びてきた前髪が、上下に揺れて綺麗な顔を覆う。
「ッ……、」
頭が痛い。吐き気がする。でもそれが、同性からされているこの行為のせいじゃないことくらい、気付いている。
「なに、考えてるんだよっ」
「俺が好きなんでしょう。だったら大人しく抱かれてあげるよ」
「やめっ……木下、違う。違うっ」
違う。違う。こんなことがしたかったんじゃない。俺が純粋に恋をして望んだことは、こんなにも汚らわしいことじゃない。
「もしかして抱かれたかった?俺、いつも下だからさ。上手くできるか分からないけど、日比谷のために頑張るよ」
「そうじゃない!そういうのじゃないんだ、俺が木下を好きなのはッ……!」
一瞬、悲しそうに目を細めて笑った木下が、再び俺のものを口に含む。
気持ちだけが高ぶって今にもこの男を押し倒してしまいそうだった。それを止めたのは縛られた腕と、木下の小さな舌が触れるたびに夢の中へ落ちるこの感覚。
「ふふっ、飲んでるからかな。全然勃たないね」
「かわいそう」といじらしく呟いて離した木下が、俺の物で微かに汚れた指を自身の下半身に入れる。
「ん、はぁ」
「な」
「……はは、きっつい」
「ッ」
ーー熱で染められた頬が、吐息交じりに溢れる声が、彼の全てが愛らしくてか弱くて、この人を抱きたいと、本気で思った。
「きの、した」
「え」
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