アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
31
-
『ご馳走サマ。』
親指で漏れた唾液を拭き取ると、官能的な微笑みを浮かべる。
「――――ッ、」
俺はすかさず口元を隠した。カァ、と羞恥心から一気に身体に熱が帯びていく。
『思ったより余裕無かった?息、上がってる』
クスクス、と耳元で笑い声が聞こえる。
「な、」
『可愛い』
反論しようかと口を開けば、耳元の甘言に遮られる。
途端にそっと俺の髪の毛を愛撫し、柔らかな表情をした。
きゅう。それが余りにも愛寵に満ちた眼差しで、不覚にも心臓を掴まれる。
―――ヤバイ。
「…っ、退いてください…!」
火照った顔を隠すように俯き、あるだけの力で胸板を押す。
シンさんはよろり、と後ずさった。
「何されても、俺は貴方とは寝ないから…!」
『…。』
「なのでお互い今のことは忘れて、明日からは――」
『――いつ俺が〝うん〟なんて言った?』
明日からは客とバーテンダーに戻りましょう。
俺が言いたかった言葉は、シンさんの露骨に挑発的に吐かれた言葉でもみ消された。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 63