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始まる…‼︎(適当注意)
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僕が走り出そうとした瞬間
パシッ
「何で逃げんの?」
一樹に腕を掴まれた。
「いやぁ…寝てたから、起こしちゃ悪いかなぁって…」
「本当?」
「本当だよ。」
一樹は真っ直ぐに僕を見てくる。正面からぶつかってくる。真っ直ぐに入って来ようとする。
あぁ。
違うんだ。
綺麗なんだ。
一樹は僕より綺麗だ。心も身体も。何故かそんな気がした。僕が汚して良い存在じゃない。離れなきゃ。汚しちゃいけない。傷つけちゃいけない。
「僕行かなきゃ…」
白々しいよね。分かってる。だけど、ここを逃れる言い訳が見当たらない。
「何で?」
一樹はそんな僕を引き止める。絶対に逃さない。そう目で訴えてくるように。
「1時間目の支度しなくちゃいけない…から…」
「へぇ?こんな早くから?」
ぐうの音も出ません。
言葉に詰まる僕を見て、一樹は思った通りと言わんばかりな顔をした。
「なんで俺がこんなに早く学校来たと思ってんの?」
「いや?分からないよ。」
これは事実だ。
一樹の顔が歪んだ。
そして僕の耳に顔を近付けてわざと響くように、ボソッと言った。
「お前を抱くために決まってんだろ?ユウちゃん。」
「!?」
やばいと思った時にはもう遅かった。
一樹に手を引かれてもう抗えなかった。
また、悪夢のような幻想へ連れて行かれる。
もし一樹に対する恐怖心がなければ、振り払えるのだろうか。
腕を引っ張られながらそう考えたが、そんなのは意味の無い行為だと思い気持ちを作った。
しかしやっぱり僕には分かった。一樹の目には本当の光が差して無いことが。
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