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出会い1
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これは、俺がアイツを『知る』までの
長いようで短くはない物語だ。
──────……
───…
ジリリリリリリリ!!!!
「んん…」
朝、けたたましい目覚まし時計の音で目を覚ます。
「うっさい……」
毎回文句を言いながらそれを止めるのが、毎朝の図。
「くぁ…………、ねむ…」
デカい欠伸(あくび)を零しながら、まだ真新しい制服に袖を通す。
部屋を出て、板張りの長い廊下を歩いて
既に用意されている朝食の膳(ぜん)の前に腰を下ろす。
「おはよう、瑠(りゅう)」
「…はよ、兄貴」
寝起きのまだ起ききらない低い声音で簡単に返し、味噌汁を飲む。
「あ、おはようございます。瑠さん」
「はよございます…、悠貴(ゆうき)さん」
暖簾(のれん)の掛かった台所から小鉢を持って、様になるエプロン姿で出てきた悠貴さんと挨拶を交わす。
「はい、螢(けい)さん」
「ん」
悠貴さんが持っていた小鉢は兄貴に渡された。
中身は、唐辛子が掛けられ更に毒々しい程に真っ赤になったキムチ。
「うわ…、よくそんなもん食えるな兄貴」
「お前も要るか?」
「要らねぇ」
全力でお断りさせていただく。
兄貴の辛党にも困ったものだ。
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