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昼休みが過ぎた頃から、祭月は大半の奴らとは反対に居眠りする事が少なくなった代わりに、時折遠くを見るようにぼーっとしているのが多くなった。
それを不思議に思いながらも、5限、6限、7限と、時間はあっという間に進んだ。
───放課後。
「終わったー!部活ぶかつー!!」
解放感から、馬鹿みたいに(実際バカだが)はしゃぐ真琴を横目に俺も帰り支度を始める。
「元気だねーマコちゃん」
「おうよ!体育と部活のために学校に来ていると言っても良い!!」
「そなの?」
「真琴は勉強嫌いだからな」
「あー、ぽいねー」
「ちょ、虹ちゃん何気に酷くない!?」
「………、さあ帰ろー!」
「その間はなに!? 待って、無視しないでぇぇえ」
……早速イジられてるな。
真琴をからかって「冗談だよ」と屈託なく笑うその表情からは、あの表情は想像しにくかった。
あれだけ祭月と話している真琴に聞いても、何の事だと、気付いてなかったみたいだし。
………じゃあ、気づいてるのは俺だけか?
「あ、そだ。なんか俺先生に呼ばれてるんだった。という事で、バイバーイ」
「おー」
「またなー」
ブンブンと左手を振って教室から出て行く祭月を真琴と一緒に見送った。
「……………で、瑠さんや」
「何だよ」
「手振るとか可愛いところあるじゃないですか」
「アイツの癖なんだろ」
「ちっっっがーう!!」
「…っ、何だよ」
びっくりしただろが。
「そーじゃなくて!瑠!お前の事言ってんの!」
ビシリと某探偵少年のように鼻先に指差される。
「え。…あ、俺か」
「はぁ、この鈍感め…」
「誰が鈍感だ」
それは聞き捨てならないぞ。
やれやれと額に手を当てて、首を振る真琴に思わず訂正を入れた。
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