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欠伸
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なあ、颯太。来年は中学生なんだって、早いよな、昨日も遊んだのに今日にはちょっとしか残らない。
僕、味上颯太(みかみそうた)は14歳の中学生。友達はいない。小学生の頃はそこそこ話す相手が居たが中学生になりその相手というものが離れていった。
僕は暗い、根暗だってよく言われる。側にいたところでつまらないらしい。別に相手なんぞいらないからいいが。
毎日、学校に着いたら分厚い本をカバンから取り出す、それを開いて没頭する、毎日のスタイルである。この流れは小学生時代から崩した事は無いし崩されたく無い。今日は外国の作家の短編が詰まった古びた本だ。父の書斎の埃のかぶった本の一部である。あぁ、もう前なんて向く必要ない、本に堕ちよう。
耳にうるさい同級生達の声が突き刺さる。
声変わりする前の甲高い声。
目線を気にし始める女子の話。
聞きたくない、背けていたい世界。
僕が存在する意味とは分からないけれど絡み合うことが無い世界。
酔う、目が回る、文字の羅列に逆らう奴しかいない。
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