アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
父
-
受け取ったタオルと部屋に置いてあった新聞紙で嘔吐物を拭いた。
拭いているうちに目頭が熱くなってきた。
怖かった。
怒りなんかよりも恐怖が勝った。
元々あまり喋らない人だから性格もなにもかも分からなかった。
殴られている時、ふと本当の父さんの言葉が思い浮かんだ。
いらない、
汚い女の子供はいらない。
今の父さんはどんな風に僕が写っているのだろう。
あの黒い瞳に。
ぽた、ぽた。
涙が床に落ちる。
悲しいとは思わなかった。
ただ胸が思い切り締め付けられていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 24