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普段より厳しい口調でピシャリと言われたその言葉。
やっぱセックス以外は何も心配してもらえない…
こういうちょっとした事で落ち込む自分に、いつの間にこんな乙女メンタルになったのかと自嘲が漏れた。
…セックスの相手としてじゃなくて恋人として隣にいたいんだよ。
そんな欲を持ってしまった俺は、彼にとっては面倒極まりない人間だろう。
「気持ちは、良かった、けど…、やっぱごめん。もう、無理。」
「なんで?」
なんでって、そりゃあ
「…好きな人が出来て……。」
「あぁ、そいつ以外とはしたくないって?」
いや、出来てるけども
出来てはいるんだけども、嬉しくないと言うか。
…いや、すごく嬉しいですごめんなさい
いい答えなんて見つからなくて頭ン中ぐるぐる状態な俺は、影が近くに来たことに気付かなかった。
グィッ
「っンん!?…ちょ…な、…っはぁ…や、めっ……あン…ふぁっ…」
イヤらしい音が部屋中に響いて、俺の脳を揺さぶる。
キスがこんなに気持ち良くて恥ずかしいものだとは。
今までまともな状態でやったことのない俺にはそれだけでかっと顔が熱くなった。
上顎をツッっと舌でなぞられ鼻から変な音がぬける。
「ンぁ…は…ぁ、…むっ…う、」
少し顔が離れて、2人の間には熱い吐息が交じり合う。
近すぎる彼の顔は焦点が合わなくてボヤケる。
なのに有無を言わせないような鋭い視線は、俺の心臓を鷲掴んで離さない。
ヤバ、頭、クラクラする…
「…このエロい顔、俺以外の奴に見せたくないな」
口調は柔らかなのに、それに逆らってはいけないと本能が警告を鳴らした。
目が、熱を孕んでいて全身がピリピリと緩い刺激を与えられているようだ。
なんか、求められてるみたいで嬉しすぎて胸が苦しい。
何だこの展開。
なんか嫉妬っぽい事されてないか?
俺にとって良い展開じゃないか?
全身熱いし気持ちいいキスでろくな思考回路が絶たれた俺は、ええい、ままよ!と彼の首に腕を回した。
「…お前のその顔も、他所で見せてほしくないんだけど。」
この意味伝われ!と目線を合わせ、緊張で震える腕に力を込めた。
2人とも視線を外すことなくしばしの間見つめ合った。
好きな柑橘系の匂いが俺を包んで嬉しいのに、この匂いがこれから嗅げなくなるかもしれないと思うと心の底からは喜べない。
断られたらどうしようなんて頭の片隅に必死に追いやった。
なのに心臓が壊れるくらいに煩い。
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