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3年ぶりの口付け。
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玲「危ねぇって!!」
急に背を向け歩き始めた男は
目が見えないせいか、道路にでてしまいそうになった。
いろんな感情が入り交じり、俺はその場から動けない。
玲「お前、名前は?」
男「すみません。離してもらえますか。」
玲「一人で歩いたら危ねぇって。」
男「離せよ!!べつにどうなったって…てめぇには関係ねぇだろ!!」
玲「なっ…!?はぁ!?助けてやったのにその言い草はねぇだろ!!」
男「うるせぇな!!俺に触んじゃねぇよ!!」
天使と言い合う男。
この口調…
天使と同じ感じ…
…気のせいだ。
ここ最近珀を探し続けてるせいで疲れてるだけ。
玲「おい!!烏丸!!こいつなんとかしろよ!!」
男「…っ。は、離してくれよ…」
烏「玲於、もういい。離してやれ。」
玲「だ、だってこいつ!!危ねぇし!!」
烏「俺が何とかする。お前、こっちに来い。」
男「な、お、おい!!おろせよ!!」
烏「うるさい。」
男「っ…」
俺は気が付くと男を担いで歩いていた。
烏「悪い、お前は帰っていてくれ。」
玲「は?…ま、まぁ…いいけど。」
俺の家まで戻って、車の中に男を乗せた。
車を走らせ少し遠くの人気の少ない所へ止める。
「………。」
「…珀…だよな。」
「…誰だよそれ。」
「見つけるの…遅くなって悪かった。」
「だから、そんな奴知らねぇし。」
溢れそうになる感情を抑え、謝った。
顔が見られねぇ…見たら抑えれなくなる。
「ここどこだよ。」
「すまん…珀…」
「だから…、わっ」
やっぱだめだ…抑えられない
信じたくねーけど、こいつ…
もういい…何をしてきたって、どんな姿になっていたって…
全部俺のせいだ…
ぎゅっと抱きしめた。暖かくて…心地いいこの感じ
間違いない。
「悪かった…ごめん…」
「俺に…触るなよ…」
「無理…」
「俺、汚ぇから…触るな…」
「汚くなんかない。………会いたかった。」
頬に暖かいものが伝う
「…く、ろ……」
「珀……」
久々そう呼ばれた気がする。
『クロ』
俺の苗字が『烏丸』で
カラスは黒いからって
『クロ』って呼ばれるようになった。
俺をそう呼ぶのは…珀しかいない。
「…っ、クロっ…ごめ、俺っ…」
「お前が謝ることはない…俺が悪いんだ。ごめんな…」
見えない目から溢れ出る涙。
…申し訳ない。
もっと早く、見つけていれば…
泣きじゃくる珀。どれだけ探したか…一時は諦めようとした…でも完全には忘れられなかった。
愛おしい。
「さみし、かった…っ、ぅ、」
「俺もだ…」
少し震えている珀の体を抱きしめ、温もりを感じる。
どれだけ辛かったんだろう。
これだけの年月、一体どんな目にあったんだ。
「よく生きていてくれたな…ありがとうな…」
「うっ、…うぅ…」
「珀…」
愛している。そう伝えたい。
でも、途中で諦めようとした俺に言う資格なんかあるのだろうか。
こいつにこんなに泣くほど辛い思いをさせて…
「く、ろっ…嫌われて、なくてっ…よかったっ…っ」
「っ…馬鹿…。嫌うわけねーだろ…。…愛してる。」
こいつには敵わない。
こんな目に遭わせて、探すことも一時諦めた俺に
嫌われてなくてよかったとか…
抱きしめる力が強くなる。
とてつもなく愛おしくて、可愛くて…
「珀…」
ちゅっ
「んっ…」
柔らかい唇に自分の唇を重ねる。
これだ…珀の…
あったけぇ…
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