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過去。
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珀がここに来てから3日目。
突然おっさんがあることを言い出した。
「玲於のいた施設に聞きに行きたいことがあるんだけど、構わないかな?」
「聞くって…何を?」
真剣な顔をしてそう言うおっさん。
珍しい
「玲於の兄弟のことだよ。気にならない?珀君のこと。」
「いや…べつに」
「玲於に血縁がいるとしたら…玲於がどう考えるかはわからないけど、おじさんからしたら少しは心の支えになると思うんだ。」
「まぁ…うん」
おっさんはきっと俺が寂しいとか思ってると思ってんのかな。
おっさんがいれば充分なのに。
「正直、玲於と珀君が兄弟だって可能性はなくはない。珀君も烏丸さんに助けてもらった子だからね。」
「そうなのか。じゃああいつも施設に入ってたのか?」
「いいや、あの子が5歳だったかな?それくらいのときに何日間かおじさんが玲於を見つけたあの公園で 遊んだり寝てたりしてたのを烏丸さんがずっと見ててね」
「へー」
「それでおかしいって思った烏丸さんが保護したんだよ。一人ぼっちなのに泣きもしないで毎日過ごしてたらしいよ。」
「じゃああいつは俺より年上なんだ?」
「同じくらいのはずなんだよね。」
「へー」
あいつと俺が兄弟だったら…どうなんだろ
いや、無理無理!!
あんな奴と血が繋がってるとか有り得なくね!!
でも…少し気になる
「烏丸さんが連れて帰ってお風呂に入れてあげた時、身体中に痣があって色々と大変だったみたいだよ。」
「そう…だったのか」
俺とは全く違う…
俺はまだ記憶が無いくらい小さい時に拾われたのに…
あいつは誰に育てられてたんだろう。
「わかった。聞きに行く。」
「無理はしなくてもいいからね?もし知りたくないなら聞きに行かなくても。ただ玲於にとってプラスになればなと思っただけだから。」
わかってる。おっさんが俺のことをよく考えてくれてることは。
「俺も気になるから。」
「そうかい?気が変わったりしたら言ってね。」
いつも以上に気を遣うおっさん。
そりゃそうだよな。
施設で俺のことを聞くって事は、兄弟のことだけじゃなくそれ以外のことも聞くことになるかもしれない。
「じゃあ行くかー。あいつは?連れてくの?」
「いや…珀君はまだやめておいた方がいいだろうね。ただでさえ精神的にショックを受けてたみたいだし、まだ情緒不安定な部分があるみたいだから。」
「…だよな。」
俺はおっさんと2人で俺のいた施設に行くことになった。
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