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内心。
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「べつにかんけーねぇだろって、何回も言ってんだろ。」
「関係ないけどね、どうしても気になっちゃうんだよね。君のこと。ところで…名前は?」
「国塚。」
「フルネームだよ。」
「国塚 玲於。」
「そうか。」
「おっさんは…?」
「谷口 隆志だよ。よろしく、玲於君。」
「気安く呼んでんじゃねぇよ。」
「ほら、そういうの やめなさい。」
プツン…
説教ばっかたれてくるこのおっさんのせいで
俺の頭の中で何かが切れる音がした。
「うるせぇんだよ。おっさん。」
「またそういう口のききかたをする。」
「そういうのがうぜぇんだよ!!何もわかってねぇくせに いちいち説教ばっかしてんじゃねぇよ!!」
「こらこら、落ち着きなさい。」
「うるせぇ!!もう無理、てめぇみたいなのと絡んでたら禿げる!!」
「待ちなさい。」
「なっ…!?」
立ち上がり帰ろうとするとまた腕を掴まれ引っ張られた。
背後から引っ張られた俺の足は
ソファーに引っかかり
そのまま倒れソファーに寝かされた状態になる。
「なにすんだよ!!」
「まぁまぁ落ち着きなさい。」
「まじうぜぇんだよ。おっさん。」
「そういうこと言うんじゃないの。」
「いいから離せよ」
「んー…困ったなぁ。」
俺が落ち着いたと判断したのか おっさんは
手を離し俺を座らせた。
「そんなに知らないのが不満なら話して?」
「なんでおっさんに自分のこと話さなきゃいけねぇんだ。」
「話してごらん?」
「………。」
なんでこんなおっさんに話さなきゃいけねぇんだよ。
自分のことを教えなきゃいけねぇんだ。
「ほら。」
「嫌だ。」
おっさんの手が俺の頭を撫でてる。
頭を触られんのは嫌いなはずなのに
何故か拒まない俺。
なんでだ。
「本当はわかってほしいんだよね。誰かに。」
「ちげぇから。」
「助けて欲しいんでしょう?おじさんはわかっているよ。」
「ちげぇって。」
「大丈夫。」
「………。」
やめろ…
「大丈夫だよ。」
「………。」
やめてくれ。
俺の心を見るな。
優しくするな…
「………。」
「………。」
優しく頭を撫でるおっさん。
その手は妙に暖かくて
優しくて。
きっとこいつなら…
と、心のどこかで思い始めてしまっている。
「やめろよ…。」
「そんな強がらないの。」
おっさんの目は俺の全てが見えているかのようで…
俺がずっと欲しかったものまでわかっているかのようで。
正義感だとわかっているはずなのに。
本当に心配してくれているわけじゃないとわかっているはずなのに。
どこかで期待してしまっている。
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