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2人の男。
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あれから2日が経った。
俺とおっさんは最低限の会話しかせず生活した。
やがて夜になり俺はベッドに潜り込んだ。
「ねぇ、いい加減機嫌直してよ。」
「うるせぇな。話しかけんな。」
「おじさんがあんなことしたことに怒ってるのかな?」
「ちげーし。」
「じゃあ何?」
「………。」
好きなのかなんなのかはっきりしろよ。おっさん。
ずっとモヤモヤしたまんまじゃねぇかよ。
「そんなつんけんしないでよ。」
「話しかけんな。」
「もう…。おじさん明日から出張だからここでいい子にしててよ?」
「…出張……?」
「そう。お金は置いていくから、好きなものを食べてね。悪いことしたらお仕置きだからね?」
「しねぇし。さっさと行っちまえ。」
なんだよ。俺を置いていくのか。
まぁいい。腹立つおっさんの顔を見なくて済む。
「1泊だけだから大丈夫だとは思うけど、もし何かあったらいつでも電話しておいでね。」
「はいはい。」
俺の態度のせいか
おっさんは、はぁ…と深いため息をついた。
ため息つきてぇのはこっちだ馬鹿野郎。
てめぇのせいでどれだけ悩んでんのかわかってんのか。
「…じゃあ、おやすみ。」
「おやすみ。」
ったく…。
おっさんが何を考えてんのかわかんねぇし。
今日はやけに冷え込んでいる。
あれ以来おっさんとは一緒に寝ていない。
だから余計に…なのかはわからないが
とにかく寒い。
そんな中俺は眠りについた。
そして翌日
俺が目覚めたときには、既におっさんは家にいなかった。
1枚の置き手紙と、金を残して。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おはよう。
よく眠れたかな?
このお金は好きに使っていいからね。
でも悪いことはしないで。お願いね。
いい子にして待ってるんだよ。
明日の朝には帰るから。
それじゃあ、いってきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…なんだよ。
紙をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に投げ入れた。
こんな金使うわけなくね…
なんでこんな置いてくんだよ。
置いてあった金は諭吉が5枚。
こんな置いてってなにしろっつーんだよ。
明日の朝まで生きるのに5万もいらねぇだろうが。
…まぁいいか。
おっさんのいない部屋はやけに静かで
外の風の音しか聞こえない。
そんな環境で俺は少し寂しさを感じた。
いつもならだいたい18時くらいには帰ってくるけど
今日は帰ってこない。
なにしよ…。
暇だ。
ぼーっとテレビを見るくらいしかやることがない。
まだ1人で外に出ると前みたいな生活に戻ってしまいそうで怖い。
前の生活に戻るくらいなら
今の方が色々楽だし、まともに飯も食える。
それに警察から追いかけられなくてすむ。
やがて夕方になり
いい加減腹が減ったなと冷蔵庫の中を漁る。
りんごが2つ入っていたので
食おうとした。
が、俺はりんごの皮はむけない。
どうしようと考え、
その結果洗って皮ごと食べることにした。
「このりんごうめぇ。」
シャクシャクと音を立てながらひたすら食べた。
1つ食べ終え
あー、歯茎いてーし。とか文句をたれながら
りんごの芯をゴミ箱に捨てた。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
誰だろう。
おっさんに用事か?
「はーい。」
インターホンのカメラを見てみると
スーツを着た男が2人。
1人はロングコートを着ていて
少し柄が悪く見える。
俺が出たことに戸惑ったのか
こそこそと2人で喋り
「あのー、谷口さんは?」
「今はいませんけど。」
「そうですか…。では、谷口さんにお渡ししたい資料がありまして…重要なものですので、そちらで預かっていていただけませんか?」
「あぁ…はーい。」
ボタンを押し、扉が開くようにした。
ここは全てオートロック
マンションに入るのもカードキーがいる。
だから俺はロックを解除し
ここまで来れるようにした。
そして少しして再びインターホンがなる。
「はーい。」
「どうも。」
2人組はずかずかと部屋の中に入ってきた。
なんの断りもなく。
「な、なんなんだよ!?てめぇら!?」
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