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おっさんの正体。
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車はひたすら走り
ひとつの家に着いた。
そこは目を疑う程のもので。
高級旅館の様なところだった。
門があり
周りは庭園のような…
俺みたいなバカには説明の仕方がわからない程で。
とにかくすごいとしか言えない…
全体的に和風なんだけど…
普通の家とは比べ物にならなくて
手入れの行き届いた庭に
細工の施された柱や
様々なものがあちこちにある。
ぽかーんと口を開け門をくぐった所で立ち止まっている俺を見て
おっさんがクスッと笑う。
「おっさん…何者?」
「ごめんね。ずっと隠してて。実はおじさんはね…」
おっさんが何かを言おうとした時、
豪邸の中から黒いスーツ姿で
髪はおっさんと同じようなオールバックの男が飛び出してきた。
「か、会長!?」
男は驚いた顔をして
おっさんのことを「会長」と呼んだ。
「…会長……?」
ここでまた俺はぽかーんと口を開け
今の状況を掴めないでいた。
そんな俺を見てまたクスッ笑い
飛び出してきた男と話し始めた。
ほんとに何がなんだかわからない。
結局おっさんは何者なんだ?
会長って…何の?
何かの会社なんだろうか。
「すまないね、しばらく留守にしてしまって。」
「いえ!!無事に戻ってこられてよかったです!!」
「今日からまたここに戻るから。」
「はいっ!!……ところで、その餓鬼は?」
は?
こいつも俺を餓鬼って言うのか。
なんなんだ。イライラするな。
「餓鬼じゃない。国塚 玲於、跡継ぎだ。」
「そ、それは失礼しました!!とりあえず、中へ…!!」
は!?跡継ぎ!?
何の!?俺はどうなるんだ!?
ちょっと待て!!さっきから何も話がよめねぇし!?
1人であたふたしているのを見ておっさんが
「ごめんね。中で説明するから。」
「え…あ、うん…?」
なにがなんだか俺にはさっぱり…
変な男がおっさんのことを「会長」と呼ぶわ。
中に入ったら入ったで
柄の悪い奴らがおっさんに向かって
「おかえりなさいませ!!」だの
「無事でよかった…」だの言ってるし
「うぉぉぉお!!」などと泣き出している奴までいる。
すれ違う奴らは皆驚いてるわ
おっさんに皆が頭を下げてるわ…。
そんなにおっさんは偉い奴なのか?
まるで頭を下げている連中には俺が見えていないかのような感じで
皆おっさんしか見ていない。
そして、広い家の中を歩き
広い部屋に着いた。
全面畳で木の匂いがする。
奥の方に置いてあるテーブルのそのまた奥におっさんが座ったので俺も隣に座ってみる。
「さてと…」
「……?」
おっさんに頭を下げていた連中がおっさんの前に何列にもなって綺麗に並び正座している。
なんだ…この異様な光景は……
「玲於、改めて自己紹介するね。」
「…うん?」
「俺は、国塚組五代目総長 谷口 隆志だ。」
「……………………………………はぁぁぁぁぁああああああああ!?」
俺の驚く声は
屋敷中に響き渡った。
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