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ストーカー?
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おっさん…まだ寝てるし…
喉乾いた…
そう思って俺は服を着て、冷蔵庫の中に飲み物が入っていないか確認しに行く。
「あれ…」
冷蔵庫の中はからっぽ。
昨日おっさん達が全部食い尽くしたのか…?
まだみんな寝てるし…買いに行くか。
自分の財布だけを持って
近くのコンビニまで向かう。
向かってんのはいいんだけど…
なんかついてきてる奴がいる気がするのは気のせいか?
…いや、気のせいじゃない…さっきから誰かつけてきてる。
試しに早歩きとかしてみるけど
俺の速さに合わせてくる。
なんだこれ…こんなん初めてだ。
もしかして警察?
俺が若頭になんかなったから、張られてる?
いや、警察はもっと上手くやるはず…
と、とりあえずコンビニに入ろう。
途中から走った。
もちろんつけている奴も走って追いかけてくる。
前にスーツの男2人に襲われたトラウマかなんなのか、やけに緊張する。
人がそこそこいるコンビニの中までついてくるはずはないだろう。
そうタカをくくっていた…が、ついてきていた奴も入ってきた。
コンビニに入ると鳴るチャイムみたいな音で体が少しぴくっと動いた。
息を少し切らしたまま
振り返ると
「ねぇ…きみ?…」と言いながら
ニタァ…っと笑っている男が俺を見つめている。
寒気がして思わず後ずさる。
すると何かに軽くぶつかった。
そしてスッと何かがのびてきて
何か壁みたいなものが俺と男の間に入った。
「なんだてめぇ。」
どこか聞き覚えのある声…
ドスの効いた低い声。
香水の匂いが軽くする。
ふと見上げると壁のようなものの正体が人間だということが確認できた。
広い背中の後ろに俺が隠されてる。
つけてきていた男はビビったのか
足早にコンビニを出ていった。
俺はコンビニにいた客に助けられた…のか?
「はぁ…キモい奴もけっこーいるもんだな。」
あれ…
やっぱ聞いたことある…この声…
「あ、あの…ありがとうございました…」
とりあえず礼は言わねぇと…
でけぇ背中が動いてこちらを向いた。
下げた頭を上げて
顔を見ると
きりっとした鋭い目が見下すかのように俺を見ていて
次の瞬間その目が真ん丸に開いた。
俺はそのとき気付いた。
一瞬忘れていた。この顔。
「げっ…」
「天使っ!!」
「か、烏丸…」
「やっぱ運命だな♪これは♪」
「ち、ちげぇから!!寄ってくんな!!」
「にしても、よく殴らなかったな。俺が無闇に殴りかかるなって教えたもんな♪いい子だ♪」
そう言って俺の頭を撫でてくる。
ほんとに鬱陶しい…こいつ。
ヤるときはドSのくせに…
「触んな!!」
「さっきのアレはあんたのストーカーか?」
「いや…わかんねぇけど…ずっとつけてきてた。」
「へー、やっぱ天使はモテんのかねぇ。可愛いから。」
「可愛くなんかねぇっ!!あほ!!」
ははは…と盛大に笑い出す烏丸。
腹立つ。
俺をおちょくって遊んでんだろ…絶対。
「もういい!!疲れる。買うもん買って帰る。じゃあな!!」
飲み物を持ってレジへ向かうと
ドサッと飲み物やら菓子やらたくさんのものが俺が置いた飲み物の隣に置かれた。
「なっ!?」
置いたのはやっぱり…烏丸だ。
「なんなんだよ!?」
「ん?なにが?」
「順番くらい守れよ!!いい大人が!!」
「あー、これね。一応守ってるつもりだけど。」
「じゃあ置くなよ!!邪魔くせぇな。」
「いやいや、一緒に買うから。」
「は?」
一緒で。
と、店員に伝え
会計を始める。
あー、俺の分も金払ってくれんだなー
そう思った。
そして大きな袋を2つ。
烏丸は片手に持ち車へ向かう。
「ちょ、おい!!俺の飲みもん!!」
「…?あとで渡すって。そう焦んなよ。」
「あとでって…」
「乗ってくだろ?もちろん。」
そう言って車に乗る烏丸。
頭上に?を浮かべてる俺。
「襲われそうになった奴を1人で帰らせるわけにはいかねぇだろ。早く乗れ。」
「いや、そこまでしてもらわなくていいし。」
「この状態で放置して帰ったりなんかしたら、谷口に殺されっから。」
前のことがあるからなるべく一緒にいたくないんだけど…
と、思いつつ
渋々車に乗り込んだ。
「あんな、俺はそんなしょっちゅう襲ったりしねぇし…そんなビビんなよ。」
「あ、当たり前だ…次やったら殺してやる。」
「そんな物騒なこと言うのか、天使のくせに。」
「うるせぇ。」
ぶつぶつと文句を言いながら
おっさんの元へと帰る。
そして家に着き
車を降りた。
「ほら、これ忘れんなよ。」
「…は?」
コンビニで買った袋二つ分の飲み物やら菓子やらを
そのまま手渡された。
「それやるから。家でおとなしくしてろ。」
「い、いや、こんなにいらねぇよ…」
「俺から天使への貢ぎもんだ♪黙って受け取れ♪あ…あぶね…これは俺の。」
袋の中から煙草ワンカートンを取り出し
烏丸は自分の膝にのせた。
「あ、ありがとう…?」
「いいえ♪じゃあな。」
俺が受け取ると
満足そうに笑い
烏丸は帰っていった。
なんなんだあいつ。
優しいんだかなんなんだか…。
どうすんだよ…こんなに…。
またぶつぶつ文句を言って。
家に入る。
すると慌てているおっさんが駆け寄ってきた。
「れ、玲於!!どこ行ってたの!?心配したんだよ!?」
「えっ…?」
いつも優しくてクールな印象のおっさんが
こんなになってる。
…なんで?
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