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暗闇が落ち着く?
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くそ…ただちょっとおっさんより若いってだけなのに。
なんでこうガキ扱いされんだ。
ムカつく。
おっさんは俺のこと本当に恋人だと思ってくれてんのかよ。
ただの子供くらいにしか思ってないんじゃね。
ポケットに手を突っ込んで、そんなことばかり考え 俯きながら歩く。
おっさんの「好き」は
俺の考えてる「好き」とは違うんじゃねぇの?
どうしてこんなに不安になるのか。
それはきっと
俺が本気でおっさんのことを好きだから。
ずっとふらふら歩き回って
いつの間にか日も暮れてて。
たどり着いたのは、おっさんが俺を拾ったというあの公園。
変な噂のせいでまた誰もいない。
暗がりの公園のベンチに一人腰掛ける。
おっさんが話しかけてきたときと同じ
また俺はぼーっと空を見上げる。
星がキラキラ光っているのがよく見える。
おっさんは今頃何を考えているんだろう。
俺を探してくれているんだろうか。
探してくれてたらいいな。なんて少し思って
またそういうことを考えること自体、餓鬼なんかな…と考える。
俺はどうしたら早く大人になれるんだろう。
考え方をどう変えたらおっさんと釣り合う大人になれるんだろう。
考えてもわからなくて、ついため息がでる。
「みぃ〜つけた。」
どこかで聞いた気味の悪い声。
その声にビクッと体が少し動く。
振り返るよりも先に布のような物が俺の口にあてられ
その瞬間意識が遠のいていった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
…頭が痛い。
目覚めるとそこは真っ暗で。
何も見えない。
それにひやっとした空気で満ちている。
ここはどこだ…?
寒い…
あの声…多分コンビニまでつけてきた奴だ。
また俺をつけてた?
…何のために…。
あれからどれくらい寝てたんだろう。
暗いせいで何も見えなくて
今何時なのかも全くわからない。
少ししてやっと目が慣れてきて
ぼんやりと部屋の様子を確認することが出来た。
ここは…窓もない。
家具があるわけでもない。
一面コンクリートだ。
あるのは低い天井の端にある隙間だけ。
隙間を覗いてみると
その先は外で土が見えた。
地下室だ。
外が見れたおかげで今が夜だってことはわかった。
ただ俺がどれくらい寝ていたのかがわからないから
おっさんの家を出ていった日なのか
そうじゃないのかはわからない。
「おーい!!誰かー!!」
隙間から外に向かって助けを呼んでみる。
べつにこの状況が怖いわけじゃない。
こんな状況なのに落ち着いている。
けど、このままここに放置されていれば死ぬのは確かで
声が出せるうちに助けを呼ぼう。
それが冷静な俺が思いついたこと。
「誰かここから出してくれー!!」
辺りには誰もいないのか
俺の声に反応する人がいない。
もう少ししてからもう一度助けを呼ぼう。
携帯もおっさんのところに置いてきてしまったし
それしか助けを呼ぶ方法がない。
…っつか、なんで俺はこんなに冷静なんだ?
…………。
まぁ…いっか。
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