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関西男が救出?
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男たちのせいで確認出来ない。
ちょうど俺と天井の間に立っているから。
一瞬入った光がまたなくなって
部屋が暗くなる。
また何も見えなくなった。
「我ぇ、何してんねや。」
ドスの効いた低い声。
「あ?お前誰だ?」
男達は暗闇で相手の顔が確認出来ないはず
もちろん俺も声の主の顔が確認出来ない。
俺は誰かが助けに来てくれたんだと安心した。
「ぅがっ!?」
ドスッと鈍い音をたてたあと男の1人がパタリと倒れたのがうっすらだけど見て取れた。
「殺したるわ。」
「ひっ…ぐ…」
関西弁の男は黒スーツの男の胸元を掴み持ち上げてる。
これは…やばいんじゃ!?
「ちょ、ちょっと!!そいつ死んじまうっ!!」
いくらこんな目に合わせた奴でも
そんな簡単に殺しちゃまずいって!!
助けに来てくれた人も人殺しになる!!
「ええんや。死んでも。いや、寧ろ死んでもらわな。」
「だ、だめだろ!!」
「殺す。」
「ちょっ…そいつもう意識なくなってるって!!やめろよ!!」
必死で止めた。
殺意に満ちたその声で俺の体は震える。
「極道でもないもんが手なんか出すのが悪いんや。死にとうてやってんねやろ。」
「そんなわけねぇだろ!!手、離せよ!!」
男を掴み持ち上げるその手を離そうと必死に引っ張る。
が、離そうとはしない。
「あんたが殺人犯になっちまうだろ!!」
「べつに構へん。」
「だめだから!!ちゃんと助けてくれた礼も言いたい…だからやめてくれ!! 殺人犯なんかなったら礼も言えねぇだろ!!」
あーもう、自分でも何言ってんのかわかんなくなってきたし…
とりあえず止めなきゃ…
すっと手を離し男が床に落ちたのが確認できた。
もしかしてもう死んでるんじゃ…
慌てて男の胸に手をあてた。
「よかった…」
生きてた。
「わっ…」
何故か俺は助けてくれた男に抱きしめられてる。
暖かい…
「無事で…よかった…」
「あ、ありがとう…。…っ……!?」
き、キス!?
なんでっ!?
「ちょ、お、おい!!」
「ん?」
「な、なにしやがるっ!?」
「あー……とりあえずここ出よか。」
戸惑う俺を担ぎ、ハシゴを登る男。
「あ、危ねぇって!!自分で登る!!」
「危ないやろ。暴れんとき。」
「うぅ…」
眩しいっ…
今まで真っ暗な部屋にいたせいで目が眩む。
って、俺はいつまで担がれてんだ!?
男の背中から足までしか見えない。
男は俺を担いだままひたすら歩く。
なんか見覚えある…ここ…
あれ?おっさんの家の近くじゃん。
離せ降ろせと何度言っても
危ないから暴れるな
そう言われて結局俺はずっと担がれっぱなし。
周りが見たら誤解するだろ…誘拐…とかさ…。
「えっ!?ちょ、ここ!?」
予想外の所に入っていく男。
ここは、おっさんの家…
あ、そうか。おっさんの舎弟かなんかが助けに来てくれ…た…
「は、はぁぁあ!?」
おっさんと俺の部屋に連れてこられて
布団の上に俺は降ろされた。
そのときふと男の顔を見ると
俺にとっては予想外の人物が目の前にしゃがんでいた。
「お、おっさん!?」
「玲於…」
「…っ…はっ…。な、なんで…おっさん!?」
「無事でよかった…」
「んん…んっ…。おいっ!!そんなことばっかしてねぇで答えろよ!!」
「なんで…と言われてもね…。」
「こ、声はおっさんそっくりだったけど…関西弁だったし!?違うと思ったのに…なんで!?」
「あぁ…それね。おじさん関西出身だからね。たまにでるんだよ、方言が。」
「な、なるほど…」
知らなかった…
よくよく聞いてみると
俺を拾った年だけこっちにいて
それ以外はほぼ関西に住んでいたらしい。
んで、俺を迎えに来るために組の拠点をずらした…と。
そんな簡単に組が別の土地に移動できるもんなのか?
極道の世界はわかんねぇ…
「玲於…」
「…なに?」
「やっぱり…おじさんと別れてくれないかな。」
「は!?」
突然だった。
こんなこと、おっさんが言い出したのは。
こんなことを言われるなんて
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