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くしゃくしゃになった紙と汗まみれのカード。
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ひたすら走った。
走り疲れて途中で何度も立ち止まった。
それでもまた走り始めた。
わかる道が見つかるまでひたすら走る。
何度も転びそうになって
息が苦しくなって
吐きそうにもなった。
2日間通して走り続けた。
靴もボロボロになって
汗もだらだらだ。
おっさんに会えていないせいか
おっさんが恋しくて寂しかった。
泣きながら走って、ひたすら走って。
でも見つからなくて悔しくてまた泣く。
それの繰り返し。
そんな俺にやっと。
見覚えのある公園。
あった!!
ここだ!!
いつも公園に入る入口の反対側にたどり着いた。
ここまで来れればもうわかる!!
やっと…やっとおっさんに会える。
おっさんに会いたくて仕方がなかった。
早くおっさんの顔を見たい。
温もりを感じたい。
あの幸せがほしい。
道がわかった俺はおっさんの家へとまた走る。
そしておっさんの家に着いた。
やっと…見つけた…。
外にはスーツを着た組員が2人経っていた。
「…っ!!」
俺に気がついたみたいだな。
「おっさん…は…、どこだ…」
息が切れているせいで上手く話せない。
「帰ってください。」
「おっさんは…っ、どこだよ!!」
「入るな!!撃つぞ!!」
家の敷地に入ろうとする俺に
組員2人はチャカを俺に向ける。
不思議と怖くなかった。
今頭にあるのは、「おっさんに会いたい」ただそれだけ。
「撃ちたきゃ撃てよ!!」
そう言い放つと2人は少し引き動揺しているようだ。
邪魔すんな…俺は…おっさんに会わなきゃいけねぇんだ。
こんなもん叩き返してやる。
握りしめていたせいと
汗で
紙はくしゃくしゃになっていた。
2人を押し退け家の中へと入った。
畳の匂い。
おっさんはどこだ…
「谷口 隆志ーーーー!!!!」
切れる息をどうにか整え叫んだ。
おっさんの名前を。
俺の声は家中に響き渡った。
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