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総長の悪巧み。
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ある日電話がかかってきた。
うわー…
また…なんだろう。
携帯の画面に表示された名前は「烏丸」。
また天使を渡せとかそういうことを言われるのかな?
玲於のこと好きだからね…あっちの総長さんは。
まぁもっとも、玲於を一番愛しているのは俺だけど。
ーーーーーーーーーーーー
「もしもし」
「おー!!谷口!!ちょっと相談があるんだが、外に車止めてっから出てきてくれねぇか。」
「仕方ないですね。わかりました。」
ーーーーーーーーーーーーブツッ
用件だけ伝えてすぐ切られた。
まったく…今度は何なんだろう…。
渋々外へ出ると
言っていた通り、烏丸の車が止まっていた。
車に烏丸しかいないことを確認してから
助手席に乗る。
「よぉ。」
「こんにちは。」
「あんたに1つ賭けを持ってきたんだが。」
「賭け?」
「簡単な賭けじゃない。あんたの化物じみた引きに叶うとは思ってねぇからな。」
「なんです?何をかけるんですか」
「天使だ。」
「はい?」
玲於を賭け何かをしようとしている烏丸。
何をしようとしてるのか、全く想像がつかない。
普通の賭けじゃないなら、一体何なのだろう。
「これだ。」
「…?液体?」
「そう。ただの水じゃない。」
「それはそうでしょうね。」
「これはうちに代々伝わる中身を交換する秘薬だ。」
「あー、なんか前に聞いたことありますね。」
「は!?誰から!?……ま、まぁいい。それでだ、俺とあんたの中身を交換して賭けをしよう。」
あーなるほど、つまり俺と烏丸の中身を交換して
俺の姿の烏丸が玲於に近寄って
身を委ねるか試すってことですか。
それでもし玲於が身を委ねたら
俺と烏丸、どちらでも大差ないということで
『俺によこせ』とでも言うつもりでしょうね。
「それ以上言わなくてもわかります。だめです。」
「なんで。」
「なんでもです。そもそもそんな体に害がないと言いきれないような薬なんて使えませんよ。」
「へー、あんたって意外とビビリ?」
「はい?」
「天使があんたの中身まで好きだって自信ないんじゃねぇの?それに自分の体も賭けられねぇんだ。」
「確かに玲於の気持ちに関しては自信はないかもしれません。でも後者は違いますね。」
「どうせなら心まで好きだって思ってもらいたくね?賭け、やろうぜ。」
「………………わかりました。」
「よっしゃ。じゃあもし見た目があんたの俺を選んだら1ヶ月俺のところにいさせる。」
「それでは、そうならなかった場合は1ヶ月玲於には近付かないでください。」
「了解。んじゃ、これ…同時に飲むぞ。んで、明日の朝起きた時中身が入れ替わってるはずだ。」
小瓶を1つ渡され
蓋をあけ、同時に一気飲みをする。
例えようのない味が口の中いっぱいに広がった。
飲み終えても体に変化はなかった。
とりあえず、車を降り
家の中へ戻る。
『車を降りてから入れ替わった中身が元に戻るまで玲於には一切このことは話さない』
という約束をして。
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