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動物園デート。
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車に天使を乗せ運転し
自分の家へと向かう。
「ちょっとここで待っててくれるかな。」
「なんでここ?…まぁ、わかった。」
ずかずかと自分の家にあがりこむ。
「お、おい!!国塚組!!何のようだ!!」
そりゃそうだ。
いきなり別の組の総長があがりこんできたらそうなるわな。
「うるせぇ。」
「ひっ…」
どこにいる…谷口。
後ろの方でこそこそと
いつもの国塚組頭と違う…
だのなんだのって話している声が聞こえる。
そりゃ俺は谷口じゃないからな。
「おー、これはこれは」
「おい!!お前!!俺の財布よこせ!!」
こそこそと周りに聞こえないように谷口と話す。
この状況はバレるとまずい。
「財布ですか?」
「そうだ。お前が天使とデート行くとか約束してただろ!!いくら体がお前だからって、別の組の金使うわけにはいかねぇだろ!!さっさとよこせ!!」
「デート!?あ!!…すっかり…」
「そんな大事なこと忘れんなよ!!」
「すみません…これ…ですかね…」
「おう、さんきゅ!!じゃあな!!」
「玲於に変なことしてないでしょうね!?」
「してねぇよ!!っつか、いつもお前に対する接し方を俺にされて こっちはてんやわんやなんだよ!!」
「ふふ…それはそれは…頑張ってください」
「笑ってんじゃねぇ!!…くそ…」
くそ腹立つ…
こっちは必死なんだよ。
今まで怖いもんなしで動揺もすることなかったのに
完全にペース乱されてるし。
「ごめん。おまたせ。」
「もう用事は終わったのか?」
「あぁ。」
「…?…やっぱおっさん、体調悪いんじゃねぇの?今日はやめとくか?」
「いや、大丈夫だよ!!」
「そうかー?なんかいつもと違う感じがするけど?」
「そんなことないよ!!ほら、どこか行こう!!」
「んー…無理はすんなよなー。」
……なんて優しい子なんだ。
あー、可愛い。
…って、デートってどこ行きゃいいんだ。
天使の好きそうなところがいいよな…?
「どこか行きたいところはないかい?」
「んー、おっさんの行きたいところに行きたい!!」
…可愛すぎかよ。
「…行きたいところねー……。」
「どっかないのか?」
「ラブホとか?」
「変態くそじじい!!ふざけんなっ!!」
「ごめんごめん。」
そう上手くはいかないよなー。
どこかないか…
「そうだ。動物園とか行ったことあるかい?」
「動物園?ないけど?」
「じゃあ動物園に行こうか♪」
「行く行く!!」
やっぱりまだ子供だからか
初めてだからかはわからないが
やけにはしゃぐ17歳男子。
少し離れたところにある動物園。
それほど大規模ではないが
ここらでは有名なデートスポット。
入場券を二枚買って
中に入る。
「おー!!おっさん!!あそこに鳥いる!!」
「そりゃー動物園だからね。」
俺の手を引きあちこち連れ回される。
「ペンギンだー。」
水槽の中を目を輝かせて覗いてる天使。
その横顔はとても綺麗だった。
「あー!!あそこにいるアザラシ、だらだらしてておっさんみたいだ!!」
「言ったなー、このっ」
「わ!!ごめん!!ごめんって!!」
普通の男女のカップルのようにいちゃつく。
周りから見たら
なんだこいつらって感じだろうな。
「おっさん、俺アイス食いたい。」
「お、いいね。食うか♪」
いつの間にか俺は自分が谷口であるということをすっかり忘れて
素のモードになっていた。
はっと気付きなんとか元に戻すも、度々素がでてしまう。
ソフトクリームをひとつ買ってやる。
嬉しそうに頬張る天使。
こういうところをみると
まだ子供だなと思ってしまう。
ほんとに素直で可愛らしい。
谷口があそこまで頑なになるのも理解できる。
珍しいよな、あの谷口がここまで何かに入れ込むのは。
「おっさんも食う?」
「いいの?」
「ん。」
ソフトクリームを差し出しているその顔が
とてつもなく可愛く見えた。
「ん、美味しいね。」
「だろー!!うまいよなっ!!」
「さて、食べ終わったことだし 次行こうか。」
「ちょ、おっさん置いてくなよっ!!」
「ほら、早くおいで。」
ちょこちょことついてあるく。
何度もしつこいかもしれないが
ほんとに可愛い。
幸せってのは、こういうことを言うんだな。
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