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まっすぐな愛。
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「それじゃあ頼みますよ。」
そう言い残して谷口はどこかへと行ってしまった。
やっぱ変な感じだな自分に話しかけるなんて。
「なぁ、烏丸。いつになったら元にもどんの?」
「明日かな。」
「長いな。」
「俺といるのやめるか?」
「い、嫌だ!!ぜってぇ離れねぇ!!」
……よく言わせた俺。
少なからず今は俺といたいと思ってる。
哀れだなとわかっていても
嬉しいことに変わりはない。
「もう家に帰ろ。なんか疲れた。」
「そうだな。」
もう一生このまま一緒にいたいと思ってくれる日は
こないんだろうな。
俺と谷口は何が違う。
俺には何が足りない。
帰りの車中。
そのことばかり考えていた。
「烏丸?疲れてんのか?」
「いいや。」
「そっか。」
俺のことを心配してくれているのか
仔犬のような顔をして俺を見つめる。
きっと今の俺の見た目が
谷口だからだろう。いつもの俺ならまずないだろう。
無事帰り部屋に行く。
「天使、あんたは谷口のどこがいいんだ?」
「は!?そ、そんなの烏丸に関係ねぇだろ!!」
「そうだな。」
「……なんだよ。どうかしたのか?元気ねぇな。」
「いや、そんなことねーよ。」
なんだ、やけに心配してくれんな。
見た目が違うとこうも違ってくるもんか。
「…ほんとに大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「あと、何時間経ったら元に戻っちまうんだろうな。」
「そんなん俺が知るかよ…作ったのお前だろ。」
「まぁなー。」
「なぁ烏丸ー。なんでそんなに俺にこだわるんだよ?」
玲於にこだわる理由?
そんなのたくさんある。
「腹立つから。」
「は!?なんだよそれ!!」
「初めて見た時、その容姿が美しかったから。」
「はぁ…?」
「話してみたら意外と餓鬼っぽくて、でも暖かくて。
笑顔を見てるだけで幸せな気持ちになれる気がして、でもその笑顔をもらえるのは俺じゃなく谷口で。
手に入れたくても振り向いてもらえない。
手に入らなかったものはなかったのに、あんたは手に入らなくて」
「………?」
「こんなに好きなのに俺にはその笑顔は手に入れられない。
だから腹が立つ。
その笑顔はあんたしかもってなくて、それを俺に向けてほしいから俺はあんたが欲しい。
こだわるも何もあんたしかもってないから仕方がないだろ。
谷口にむけた真っ直ぐな愛も俺は欲しい。
羨ましいとか思ったことねーけど、今は谷口が羨ましいわ。」
「…/////」
何言ってんだ俺。
本人に向かって。
俺の言葉に真剣に耳を傾けて
最後まで聞いて
途中から顔を真っ赤にしてる玲於。
たまらなく可愛かった。
嬉しかった。
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