アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
絶望。
-
おっさんの後ろに組員達が集まっている。
けど、数じゃ勝ってない…
一体どこからこんなに集めたんだと疑問に思うほど相手の人数は多い。
それに…無闇に助け出そうとすれば撃たれてしまう。
どうすればいいんだ…
「うちのボスがそいつが欲しいって言うもんでね。」
「は?」
相手の1人が俺を指さす。
……俺?
なんで俺?
「そいつを貰いに来た。さぁ、渡してもらおうか。」
「それは無理な相談だ。早くそいつらを返せ。」
おっさんの顔がどんどん怖くなる。
人質にさえなっていなければ…
きっとおっさんもそう考えてる。
何も失うものがなければおっさんはきっと
こいつらを倒してる。
「早くしないと撃っちゃうよー?」
狂気じみた顔で銃口を頭にぐりぐりしている。
くそ…
相変わらず卑怯な奴らだ…
早くどうにかしないと殺される。
「頭!!俺らに構わないでください!!」
「…くっ……」
悔しそうに眉間にシワを寄せ相手を睨みつけるおっさん。
…もういい。
こいつらは俺が行けば人質を開放してくれるんだろ?
だったら…
「連れてけよ。」
「っ!?…玲於!?」
驚くおっさんを無視し俺は奴らの元へと歩く。
「そいつらを早く離せ。少しでも傷付けてみろ。舌噛みきって死ぬからな。」
「ははは!!いい子だ!!」
「若!!なんてことを!!」
奴らは組員を離し俺を車に乗せた。
「玲於っ!!」
ごめんなおっさん。
やっぱ俺も組員を見捨てることなんてできねぇや。
今まで世話になったな。
絶望。
その文字がぴったり合う何とも言えない表情をしたおっさんが
手を俺に向かって伸ばしてる。
ありがとうな。
車の中。
後部座席。
左右にスーツを着た男。
助手席にも運転席にもスーツを着た男。
右手が俺の左隣の男を殴る。
「なにしやがる!?」
「ぅっ…く…」
右隣の男が俺の首を締めてる。
苦しい。
「ん…ぐ……」
左隣の男が俺の口に湿った布をあてた。
ツンとした臭いがしたなと思ったら意識が一気に遠のいていった。
前にもあったな…この感じ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 158