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総長の願い。
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「もしもし?」
「ちょっと手伝ってもらっていいですか。」
「……いいけど、なにをだよ?」
「ちょっと。出来るだけ人数集めてください。」
「わかった。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーブツッ、プー、プー、プー
…珍しい。
谷口の声、いつもと確実に違った。
余程のことがあったか。
あ、天使のことだな。きっと。
多分昨日の件に関係したことだろうな。
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玲於…。
今行くからね。
あいつら…玲於に何かしてたら許さない。
絶対に。
ぞろぞろとそこそこな人数を引き連れた烏丸が現れる。
「危険が伴うことですが大丈夫ですか」
「そんなん俺らは常にだろ。ってか、あんた今はそんなんどうでもいいんだろ?無理に気は遣うなよバレてっから。」
「それはそれは。申し訳ない。」
烏丸さんの舎弟達が俺を見てどよめいてる。
そんなに怖い顔しちゃってますかね。
「さて、では申し訳ないですが貴方方には付き合っていただきます。」
「よし、行くかー。場所は?」
「ここから32km離れたところにある元旅館。幼い頃あなたとタイマンはったところですよ。」
「あー、りょーかい。付いてくわ。」
思ったより行くのが遅くなった。
怖い。
玲於に何かあったら。
もっと早く行きたかった…
けど、俺1人じゃ流石にあの人数は無理…不甲斐ない。
車が十数台、ぞろぞろと目的地へと向かう。
「谷口。」
「………。」
「あんた、大丈夫なんだろうな?」
先頭から2番目。
同じ車の後部座席に2人で乗ってる。
「何がです?」
「そんな焦んなって。我を忘れて突っ込むなよ?」
「…………。」
正直自信が無い。
「…聞いてんのかよ」
自信ないんだ。
本当に。
玲於のこととなると自分が自分でなくなる気がする。
前にもあった。
玲於が連れ去られて
部屋に入ったまでは覚えてる。
でもその後のことは…
玲於が必死に俺を止めてて我にかえった。
気が付いたら男の首根っこ掴んで持ち上げてて
その男が死にかけてた。
今回も玲於の状況によっては…。
自分でも何をするかわからない。
ただ今は…玲於のことが心配で…。
俺はどうなろうと構わない。
だから…玲於だけは…無事で…。
「おい、本当に大丈夫か?」
「えぇ…まぁ…」
「……ほんとに入れ込んでんな。」
「入れ込んでる?…そんな程度で済めばこんなんになりませんよ。」
「…………。」
きっと着いたらもっと余裕がなくなる。
今でさえ、いつもきちんとしてるつもりの身支度もまともに出来なかった。
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