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二人の約束。
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おっさんと生きていきたい。
もう…一人になりたくない…
おっさんは俺を愛してくれるから そばにいてくれるから。
その存在が暖かくて…愛おしくて…
おっさんが一人でどこかへ行く時、もう帰ってこないんじゃないかとか
俺を唯一愛してくれる人がいなくなるんじゃないかとか…
色々考えて不安になる。
それを伝えたくて、わかってほしくて
でも言おうとすると男らしく言えなくて
どうしても泣いてしまう。
もうおっさんの前で泣きたくないって思ってたのに
本音を言おうとすると、言っていいのかわからなくなって
なんだか申し訳なくなって 面倒くさがられるんじゃねぇかって不安になって涙がでる。
おっさんは極道だから危険があるのは当たり前で
それがごく普通のことなのに
俺からしたらおっさんに何かあるのは 今じゃすげぇ怖いことで。
絶対に失いたくない。
「………お願い…」
「………。」
もっと鍛えるからさ…俺…
だから心配しないでどこへ行くのも一緒に連れてってくれよ。
「わかったよ。」
「……っ、」
「危ないことがあるときは一緒に行こう。それは約束する。ただ、そのとき玲於の身に何かあった時…その時はどうなるかは保証できない。ごめんね。」
「…やだ…。」
「ごめんね、止めたくても…どうしても…玲於が大切すぎて…頭が真っ白になるんだよ。約束してあげたいけど、いざというときはわからない…。でも、できるだけ抑えるようにはするから。それで勘弁してくれないかな?」
「…………じゃあ…絶対…怪我とかするのも 死ぬとかも…なしにしてくれな…」
「約束する。」
「…っ、あり、がと…」
「愛してる…玲於…」
「俺も…愛してるし…バカ…」
おっさんが本当に約束を守るかはわからない。
けど、言ったことは貫くタイプだし…俺は信じるからな…
信じていいよな…?
おっさんが約束するって言ったんだから…
「おじさんも玲於に約束してほしいことがある。」
「…なんだよ」
「もう二度と…あんな馬鹿な真似はしないでほしい。玲於が組の皆を大切におもってるのはわかる…でも…玲於も自ら危険な選択肢を選ばないでほしい。」
「……ごめん。」
「俺があの場をすぐに何とかできなかったのが悪いけど…。あの時は本当に玲於を失ったと思った。初めて死にたくなったよ、自分の不甲斐なさと絶望で…
だから、俺と約束してね。わかったかい?」
「わかった…ごめん…」
「いい子…」
バカみたいに真面目な顔をして言われ
おっさんと俺の気持ちはもしかしたら同じだったのかもしれないと
今更気が付いた。
約束…破られたくなきゃ、破るなよな…おっさん。
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