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忘れて。
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「忘れて。忘れろ、綾都」
忘れるって、どういうこと?
「嫌なこと、忘れよう。全部忘れたら苦しまなくて済むから」
和也の目が、とても綺麗で吸い込まれそう。
ゆっくりとまた近づいてきた唇に、今度は答えるように目をつむった。
何度も角度を変えて重ねられる唇。
「…ん…ぅ」
自然と漏れた自分の声に驚きを隠せない。
そして、少し声が漏れて口が開いた瞬間に暖かいものがぬるっと入ってきた。
「っ!…んぅ…っん」
絡められる舌は、とても優しく俺を包んでるような気がした。
たまに息をするタイミングとして唇が離されると、俺と和也の唇を透明の糸が繋ぐ。
「…んは…」
「綾都はいつからそんな顔するようになったんだろな」
「…そんなってどんな顔だよ」
「鏡見るか?」
「…いらん」
ふふっと笑ってまた唇を重ねた。
和也のキスは優しくて、俺の中にあった、襲われた記憶や感覚を鈍らせていった。
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