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気づいた想い。
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和也に連れられてきたのは大きな病院。
「ここ?」
「ここだって聞いた。行こう」
「ちょっと待ってっ」
進もうとした和也の服の袖を掴んで引き止める。
会って、何を話したいのかわからない。
なんで会いたいのかも分かんない…
「どうした?」
掴んでた手を逆に掴まれて、顔を覗き込まれる。
心配そうな和也の顔。
親友にこんな顔させて何してんだ。
「…ごめん、なんでもないから」
「じゃあ行くか」
握られた手はそのままで、病院の中に入っていった。
「あの、佐野なつめって人に会いたいんですけど」
「あ、なつめくんですね。今日も来てますよ〜ホントに家族想いな子で」
「どこにいるかわかりますか?」
「いつも病室で話してるから、病室だと思いますよ。病室は…」
教えてもらった病室まできた。
「柊かずはさんだね」
「そう言ってたな。入るか」
「うん。…すぅーはぁーっ」
大きく深呼吸して、気合いを入れる。
コンコン
「…あれ?」
「入ってみる?」
「うん」
返事がなかったけど扉を開けることにした。
「失礼し…ま、す……」
入った瞬間、後悔が襲ってきた。
佐野と女の子が、抱き合いながらキスしてた。
「あ…えと…」
「きゃっ」
「七瀬、西崎?」
「あ、ごめん!ノックしたんだけど…っ、と、とにかくごめんっ」
「あ、綾都!」
思わず走って病室から出てきてしまった。
佐野と誰かがキスしてるの見て、心がズキってなって、痛くて、悲しくて…
「…うっ、ぐすっ」
涙が止まらなかった。
溢れてきて止まらなくて。
心が痛い。
なんで…?
もしかして俺…佐野のこと好きになってた?
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