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連絡
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窓の外は明るかった。
多分お昼くらい。
和也が探してるかもしれないな。
「あの、連絡したい人がいるんですけど」
「あ、もしかして前に助けに来たふたり?」
「はい」
「いいって言うと思う?」
思わないけど。
「別に逃げたりしませんよ。心配しなくていいって言いたいだけなんで」
「へぇ。逃げないんだ?」
「一ヶ月ほどなら。会いたくない人がいるんで」
「……そうだねぇ。うん、いいよ」
仁さんは俺の携帯をぽいっとほり投げた。
それを受け取って、和也に電話をかける。
ワンコールもしないうちに和也は出た。
「綾都!?いまどこ!!何してんの!!」
「あ、ごめん和也。ちょっと…」
なんで言い訳しよう。
「母さんの仕事仲間に頼まれてしばらく学校に行けないと思うんだ」
「麗華さんの仕事仲間?…なにそれ、どれくらいになるんだよ」
「一ヶ月くらい」
「は?!一ヶ月もあったら勉強かなり進むぞ?大丈夫なのかよ、それに今おまえ」
「大丈夫!!大丈夫だから心配しないで…」
「え、綾都待っ…
ツーツーツー
和也が言ってるのを遮って通話を切った。
これなら多分心肺かけないかな?
携帯を仁さんに返す。
「ひとりだけでいいの?あの時はふたりいたよね」
「うん。もうひとりは…いい」
「ケンカでもしてんの?」
「そんなんじゃない」
「なに?」
じっと見つめられたけど、答えるギリなんてないから黙っていたら、諦めたみたいで部屋にある電話でルームサービスを頼んでくれた。
一ヶ月…それくらいあれば、佐野のこと見ても悲しくならないようになれるはず。
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