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女の勘は恐ろしい。
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「な、何言ってんだよっ」
「あらあら、ふたりとも汚いわねぇ、ほらティッシュ」
おばさんがティッシュの箱を渡してくれて、少し吹きこぼした味噌汁を拭く。
和也も驚いてたから言ったわけじゃないんだよな、なんで分かったんだろ??
「母さん、あのさ」
「なーに?実は付き合ってるんですっていう報告??」
ニヤニヤ笑うおばさんだが、ビンゴなのだ。
当たりなんだよ。
「母さん?あのな、冗談じゃなくて本当に俺たち」
「え、てか今更なの?和也と綾ちゃんとっくに付き合ってんだと思ってたんだけど」
最後まで言う前に真希さんに遮られる。
「え、な、え??」
俺は動揺して言葉が出てこない。
「で?和也の話って?」
やっと黙って聞いてくれる気になったおばさん。
が、この状況はとても話しにくいかな。
「俺たち、付き合うことになりました」
「な、なりました!」
とりあえず立ち上がっている和也の横に並んでおばさんたちを見る。
「で?和也は綾ちゃんに何をしてあげれるの?好きだと思ってるから好きだとか、そんな曖昧なもの要らないのよ」
「俺が綾都にしてやれること…」
「好きだからとか、それは学生までの世界よ。更に言うなら学生の男女間での話。あんたたちは学生でも、同性っていうカセを背負ってる状態なのよ。好きだからだけでなんでもできると思ったら大間違いなんだから」
「な、なに…」
いきなりおばさんが真剣に話しだすもんだから、どうしたらいいかわからなくなる。
「俺は、綾都を絶対に幸せにする。……いや、違うな。綾都といたら、俺が1番幸せなんだ。だから、ふたりで幸せになる。それだけは今言えるよ」
「和也…」
「合格」
「まあまあな答えするじゃない?」
「「ええ?」」
「綾ちゃんを絶対に幸せにするって答えだったら信じてあげなかったけど、一緒に幸せになるなら信じてあげるわ」
おばさんはにっこり笑うけど、その顔が妙に凛々しい。
「あたしたちは、いつでも味方。だから頼ってきなさいよ」
真希さんが神々しく見える。
すごい、西崎家はみんな男前だ…っ
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